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2001 年度 実績報告書

腎細胞癌の薬剤耐性因子発現とGSH結合ドキソルビシンによる耐性克服

研究課題

研究課題/領域番号 13671675
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

朝倉 正  東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (30138705)

研究分担者 浅野 晃司  東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (50222584)
キーワード薬剤耐性 / GST-π / 腎細胞癌 / 近位尿細管細胞 / Pgp / MRP / CRR9 / γGCS
研究概要

現在までのところ、正常ヒト近位尿細管細胞(RPTEC)および各腎細胞癌に対しての薬剤耐性因子の発現量および薬剤感受性と耐性因子阻害剤の効果について次の結果を得た。
1.RPTECおよびVMRC-RCW, OS-RC-2, TUHR14TKBのdoubling timeはそれぞれ24, 62, 31, 66hであった。それぞれの細胞の薬剤耐性因子(Pgp/MRP1/γGCS/V-ATPase/CRR9)の発現量はβ-actin発現量を100とすると、RPTECは55/10/32/11/50, RCWは135/0/71/10/174, OS2は88/57/0/0/189, 14TKBは85/105/38/4/185となり、耐性因子の発現は多様であった。また、RPTEC, RCW, OS2, 14TKBのGST活性(nmol/min/mg)はそれぞれ24, 16, 36, 21であり、この活性にGST-π発現量が相関した。
2.各細胞の薬剤96時間暴露すると、その耐性度は、CDDPに対してRCW>14TKB>OS2>RPTEC, DXRに対してRCW>14TKB>OS2=RPTEC, GSH-DXRに対してOS2>14TKB>RCW>RPTECとなり、いずれの薬剤に対してRPTECの感受性が最も高かった。
3.Pgp阻害剤Verapamilはその発現量に応じてDXRに対する感受性を上昇させ、γGCS阻害剤Buthionine sulfoximineはその発現量に応じてCDDPに対する感受性を上昇させた。しかし、GSH-DXRに対してはいずれの阻害剤の効果も認められなかった。
以上のことから、CDDPやDXRは薬剤耐性因子の影響を受けるが、GSH-DXRは耐性因子の影響を受けることなく、殺細胞効果を発揮できることが判明した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Asakura T, et al.: "Suppression of GST-P by treatment with glutathione-doxorubicin conjugate induces potent apoptosis in rat hepatoma cells"Int J Cancer. 94. 171-7 (2001)

  • [文献書誌] Hashizume Y, et al.: "Relationship between cytocidal activity and glutathione S-transferase inhibition using doxorubicin coupled to stereoisomers of glutathione which are different substrate specificity"Anti-Cancer Drugs. 12. 549-54 (2001)

  • [文献書誌] Tashiro K, et al.: "Level of glutathione S-transferase-p expression regulates sensitivity to glutathione-doxorubicin conjugate"Anti-Cancer Drugs. 12. 707-12 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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