研究課題/領域番号 |
13671677
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
八木澤 隆 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (80167692)
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研究分担者 |
小林 千佳 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (10328479)
伊藤 文夫 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (20211683)
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キーワード | 尿路結石 / 性ホルモン / 蓚酸 / オステオポンチン |
研究概要 |
前年度は性ホルモンの有無により結石形成が異なってくることを示した。すなわち、男性ホルモンは結石形成を促進し、女性ホルモンは結石形成を抑制することを確認した。今年度は尿中結石関連物質や高分子物質オステオポンチンを解析し、男性ホルモンが尿中蓚酸排泄を増加させ、オステオポンチンの発現を減弱すること、女性ホルモンが尿中蓚酸排泄を減少させ、オステオポンチンの発現を増強することによりことを認めた。また蓚酸代謝に関して腎尿細管での蓚酸排泄に焦点を絞り、性ホルモンの影響を検討した。Male、femaleのSDラットにsodium oxalateを投与し、投与量により4群に分類した(3mg/100g body weightおよび10mg/100g body weight)。投与後の尿中蓚酸、血中蓚酸、便中蓚酸濃度を測定し、蓚酸クリアランスを調べるとともに、腎組織内の蓚酸濃度を測定した。尿中蓚酸排泄量はMaleラット>femaleラットであり、血中蓚酸濃度はMaleラット<femaleラットであった。すなわち腎での蓚酸クリアランスがmaleラットにおいて有意に高値なことが判明した。このような成績は男性ホルモンが腎における蓚酸クリアランスを増加させることにより、尿中蓚酸排泄量を増加させていることを示すものと考えられた。すなわち、性ホルモンの有無による尿中蓚酸排泄の相違は腎における蓚酸クリアランスの違いによってもたらされてくることが示唆された。性ホルモンは腎における蓚酸クリアランスに影響し、結石形成に関わることが確認された。
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