Human wild type LH receptor(hLHR)が、exon 9を欠いたsplice variant[hLHR(exon 9)]がダイマーを形成することは、平成13年度の研究結果により明らかにすることができていた。平成14年度ではさらに、hLHR(exon 9)がこのhLHRとダイマーを形成することにより、hLHRの機能を、レセプターの細胞膜表面の発現、cAMP産生、インターナリゼーション等の点において、抑制することがさらに詳細に明らかにすることができた。この抑制のメカニズムは、間接的ではあるが、hLHR(Exon 9)は細胞膜表面に発現することができずに粗面小胞体に存在しており、hLHRとそこでダイマーを形成し、hLHRを細胞膜表面ではなくてライソゾームに誘導して分解することによると、想像される。exon 9には2つの連続したシステインが存在しており、システインはS-S結合に関与しうることが知られている。そこでこのシステインをアラニンに置換してミュータントを作り、293 cellにトランスフェクションしてレセプターの局在と、糖鎖の検討を行った。その結果、このミュータントは糖鎖の修飾を受けずに、細胞膜表面に発現することなく粗面小胞体内に留まっていることが明らかにすることができた。現在confocal microscopyを用いて、視覚的にhLHR(exon 9)とシステインミュータントの、細胞内での局在を確認中である。
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