研究課題/領域番号 |
13671701
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
笹川 寿之 金沢大学, 医学部, 助教授 (30272975)
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研究分担者 |
浜 祐子 旭ガラス(株), 中央研究所, 主幹研究員
島影 美鈴 国立大学大阪病院, 臨床研究部, 研究員
井上 正樹 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (10127186)
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キーワード | ヒトパピローマウイルス / ワクチン / 子宮頚癌 / 診断法 / 分子疫学 |
研究概要 |
子宮頚癌は先進国では減少傾向であるが、世界の女性の癌の中では2番目に多いといわれている。一方、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染は、子宮頚癌の最も重要な危険因子であることも明らかになってきた。HPVに有効なワクチンの開発によって、子宮頚癌検診を充分に受けられない地域の女性や、検診の対象外となっている若い女性の子宮頚癌の発生を防止できると考えられている。我々は癌を誘発するHPV16型のウイルス様粒子(VLP)を酵母から精製することに成功した。VLPとは、ウイルス遺伝子をもたない空粒子であり、自然のウイルス粒子と同じ構造をもつため、最も安全で有効なワクチンとして注目されている。HPV16型は膣や子宮頚部などの粘膜組織に感染してそこで癌を誘発するウイルスであり、血中に入り増殖することはない。したがって、従来のウイルスワクチンと同様の免疫法では、HPVに対する有効な粘膜免疫は誘導されないと考えられている。しかし、口腔、または腸管などに存在する粘膜免疫機構を直接刺激することによって、性器の粘膜に有効な中和抗体を誘導出来ることがいくつかの微生物において報告されている。本研究では、HPV16-VLPを産生する酵母をマウスやサルに経口的に投与し、小腸内で消化された後に放出されるVLPが腸管内免疫機構を刺激することで、子宮頚部粘膜に有効な中和抗体が誘導されるかどうかについての検討した。現在、免疫処置はすべて終了し、血中および子宮膣分泌液中の抗体力価の測定を行っている段階である。
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