研究課題/領域番号 |
13671708
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
巽 啓司 京都大学, 医学研究科, 助手 (10324633)
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研究分担者 |
藤原 浩 京都大学, 医学研究科, 講師 (30252456)
樋口 壽宏 京都大学, 医学研究科, 助手 (00283614)
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キーワード | 子宮内膜間質細胞 / 浸潤 / 子宮内膜症 / 末梢血単核球 |
研究概要 |
子宮内膜は月経周期の期間に増殖と剥離、脱落を繰り返す特殊な組織であり、胚着床、妊娠において重要な役割を担っている。正常子宮において、月経期子宮内膜基底層の剥離面に存在している細胞は上皮・間質細胞ともに子宮内腔側へと増殖・進展し増殖期内膜の機能層を形成する。子宮内膜症病変部位において周辺の正常組織に接している細胞は子宮内膜間質様細胞であり、これらの細胞の機能、特にその浸潤能に着目して子宮内膜症を分析することが子宮内膜症の進展機構を解析する上で重要な切り口になると考えられた。これまでに増殖期の内膜間質細胞がin vitroでは浸潤能を有することが観察されており、正常組織内ではむしろその浸潤能が何らかの機序で抑制されている可能性がある。本研究では子宮内膜間質細胞の浸潤モデルの系を用いて、浸潤機構とその制御に関わる因子を検討するとともに、子宮内膜間質細胞の浸潤に関与する物質を同定することを目的とした。同意を得て採取された子宮内膜組織から子宮内膜間質細胞を分離して作成したinvasion assay系にステロイドホルモン、ダナゾール、プロテアーゼインヒビター、抗炎症剤、サイトカイン、抗インテグリン抗体等を添加し子宮内膜間質細胞の浸潤能に対する作用を観察したところ有意な差は確認できなかったが、末梢血単核球(PBMC)との共培養により子宮内膜間質細胞の浸潤能が亢進することが明らかとなった。PBMC共培養下の子宮内膜間質細胞の浸潤能に及ぼす各種因子の影響は認められなかった。以上より、子宮内膜間質細胞は浸潤能を持ち、免疫細胞がその浸潤能を促進的に制御し、子宮内膜症の伸展に関与している可能性が考えられた。
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