研究課題/領域番号 |
13671709
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉岡 信也 京都大学, 医学研究科, 助手 (90333575)
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研究分担者 |
藤原 浩 京都大学, 医学研究科, 講師 (30252456)
巽 啓司 京都大学, 医学研究科, 助手 (10324633)
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キーワード | 不妊症 / 膜結合型ペプチダーゼ / 卵胞 / 卵巣 / 顆粒膜細胞 / 夾膜細胞 / 生理活性ペプチド |
研究概要 |
不妊症治療の中でも排卵誘発は根幹をなす重要な治療法である。しかしながら、広く用いられている排卵誘発法であるゴナドトロピンの投与を行っても卵胞発育が不良な患者がしばしば経験され、これらの症例に対しては現在のところ有効な治療法はない。この問題を解決するためにはゴナドトロピン作用を卵巣局所で制御できる新しい排卵誘発補助療法の開発が望まれる。これまでの研究により卵胞発育の局所調節因子として様々な成長因子が関与していることが明らかにされ、それらの成長因子を使用した排卵誘発法が臨床応用されてきたが残念ながらその成果は未だに確立されたものとなっていない。我々はこれまでに数種類の膜結合型のペプチダーゼがヒト卵胞に発現していることを見いだしてきたが、これらは卵胞内で細胞機能を調節している様々な生理活性ペプチドの生物活性を制御していることが推察されている。そのため膜結合型のペプチダーゼの阻害剤を用いた検討を行ったところ、これらがゴナドトロピン作用を卵巣局所で制御する新しい局所調節因子である可能性が示された。そこで本研究では卵胞発育誘導作用を示したベスタチン(アミノペプチダーゼ阻害剤)について、その臨床応用の実現に向けての基礎検討を進めるている。現在ヒトおよびブタの顆粒膜・莢膜細胞培養系を用いてベスタチンの有効濃度、ゴナドトロピンや成長因子とベスタチンとの相互作用、アミノペプチダーゼの基質となる様々なペプチドとベスタチンとの相互作用などを検討している。その結果これまでに、ベスタチンがゴナドトロピンの作用を様々に修飾しステロィド産生や卵胞発育に影響を及ぼすことが見いだされてきた。以上に加えて今後ベスタチン以外のペプチダーゼの阻害剤についても卵胞発育に対する効果の有無を検索し、さらにベスタチンのマウスの卵胞発育と同時に受精能、胞胚形成率、着床率など卵への作用も検討する予定である。
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