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2002 年度 実績報告書

胎児下大静脈血流波形を用いた新しい胎児評価法開発のための基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 13671711
研究機関大阪大学

研究代表者

神崎 徹  大阪大学, 医学部附属病院, 助教授 (00263278)

研究分担者 福田 裕償  大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40324751)
村田 雄二  大阪大学, 医学系研究科, 教授 (40283759)
キーワード胎児心不全 / 胎児中心静脈圧 / 胎児下大静脈血液
研究概要

【目的】胎児心拍数図に変わる新しい胎児評価法としての胎児下大静脈血流波形解析の臨床的な有用性を確立することを目的とし、臨床的に用いられている静脈血流波形の評価法であるPLI(preload index)の病態生理的な意義を実験的に明らかにする。
【方法】妊胎仔下大静脈血流波形を持続的に観察する実験モデルを作成した。母獣麻酔下に胎仔を子宮外に取り出し、右前胸部に皮膚切開を加え肉眼的に確認できる心拍動より一つ尾側の肋間より開胸し、胎仔下大静脈を露出させ径6mmの超音波血流計を装着した。平成13年度はこの手術手技の確立に費やした。胎仔下大静脈血流波形以外に、下腿静脈より輸血用および中心静脈圧測定用のカテーテルを、下腿動脈より動脈圧測定用のカテーテルを挿入した。さらに脳血流測定用に右頸動脈に径3mmの超音波血流計を装着した。羊水圧測定用のカテーテルを子宮内に留置し子宮筋を縫合、すべてのカテーテルは母獣左側腹部より腹腔外に出し閉腹した。カテーテルは腹壁に固定した袋の中に収容した。実験モデル作成手術48時間後に、胎仔の血液ガスの正常化および心拍数の正常化を確認したのち、胎仔静脈カテーテルから10m/minの速度で輸血を行った。輸血中、胎仔心拍数、動脈圧、中心静脈圧、下大静脈血流、頚動脈血流を連続モニターし、容量負荷にともなう中心静脈圧の変化と下大静脈血流波形の変化を検討した。
【結果】現在までに3頭の妊娠ヒツジで上記実験モデルの作成に成功し、胎仔輸血中の中心静脈圧と下大静脈血流波形が記録できた。胎仔輸血により胎仔中心静脈圧は上昇し、それにともない下大静脈血流波形のうち逆流波の切れ込みが大きくなっていた。すなわち、臨床で用いられている下大静脈血流指標PLIの上昇は、胎児の容量負荷にともなう中心静脈圧の上昇を表すことが確認された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Mu J., Kanzaki T., Tomimatu T., Fukuda H., Murata Y., et al.: "Investigation of intraplacental villous by Doppler flow imaging in growth restricted fetuses"Am J Obstet Gynecol. 186. 297-301 (2001)

  • [文献書誌] Mu J., Kanzaki T., Tomimatu T., Fukuda H., Murata Y., et al.: "A comparative study of intraplacental villous arteries by latex cast model in vitro and color Doppler flow imaging in vivo"J Obstet Gynaecol Res. 27. 297-303 (2001)

  • [文献書誌] 神崎 徹: "下大静脈血液波形による胎児循環動態の評価"日本産婦人科雑誌. 54. 1139-1157 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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