研究課題/領域番号 |
13671723
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
越智 博 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教授 (50194569)
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研究分担者 |
片山 富博 愛媛大学, 医学部, 助手 (90304625)
松原 圭一 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (80263937)
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キーワード | 脳室周囲白質周囲軟化症 / 微小循環 / ヘムオキシゲナーゼ / サイトカイン / アンジオテンシン |
研究概要 |
近年の超音波断層法の急速な進歩によって脳室周囲白質軟化症(periventricular leukomalacia)が発見され、今日、脳性麻痺の重要な原因として注目されている。しかし、その病態、発症機序について十分に明らかにできていない。本症の病態を解明し、受傷前にその予知を行うことができれば、心身障害の発生の予防に極めて重要である。 Heme oxygenase(HO)は肝臓、脾臓などにおいて強く発現し、一酸化炭素(CO)を生成するが、肝微小循環においてはNOではなく、COが循環抵抗制御の主役を担っていることが明らかになってきた。また、HOによって同時に生成されるhemineとともに血小板凝集抑制作用を有し、局所循環に対して保護作用をもつ。ラットを用いて胎児、新生児期の脳におけるHOの発現状態について検討した結果、これらの時期を通して広く発現していることが明らかになった。このことはH0が脳循環を保持し、局所循環を保護する働きをしている可能性を示唆した。 前期破水によって脳室周囲白質軟化症が発症するリスクが高まることが報告され、その発症機構に炎症性サイトカインの関与が示唆される。今回、炎症性サイトカインの脳微小循環に及ぼす影響について検討した。Closed cranial window法を用いて脳微小血管を観察した結果、脳微小循環においてノルエピネフリン(NE)投与によって紳動脈が収縮し、アンジオテンシンII(ATII)投与では収縮しなかったことから血管反応の臓器特殊性を示唆した。TNF-α前投与によってATII投与による細動脈収縮を認めるようになったことからTNF-αが脳循環調節に影響を及ぼすことが示唆された。
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