ヒト胚の子宮内膜への接着および侵入に際し、子宮内膜および脱落膜おいて、胚由来のPAFがいかなる細胞間相互作用に関わっているかを明らかにすることを目的として研究を計画した。平成14年度は、子宮内膜腺細胞、間質細胞、および、脱落膜の培養系において、PAFによる各種サイトカイン、特にケモカイン産生、接着因子としてのインテグリン、フィブロネクチンの発現を検討した。 PAF添加実験ならびに接着因子、ケモカイン発現量の評価 子宮内膜腺細胞、間質細胞、および、脱落膜細胞の培養系にPAF、1yso-PAF、Y-24180、CV2086を濃度的、時間的変化を加えて添加し、インテグリン、フィブロネクチンの発現量を抗インテグリンα_1、α_3、α_V、またはβ_1抗体、抗フィブロネクチン抗体を用いて免疫組織学的に半定量した。また、培養上清中のIL-8、MCP-1、GRO-αをELISAを用いて定量した。 PAFは、インテグリンα_vの産生を濃度依存性に誘導した。このPAFの効果は、PAF受容体拮抗剤であるY-24180、CV2086により遮断された。その他の結果についても集積し、研究途中経過として有意差について検討中である。
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