研究課題/領域番号 |
13671734
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 宮崎大学(医学部) |
研究代表者 |
鮫島 浩 宮崎大学, 医学部, 助教授 (50274775)
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研究分担者 |
川越 靖之 宮崎大学, 医学部, 助手 (70336311)
金子 政時 宮崎大学, 医学部, 助手 (40264387)
池田 智明 宮崎大学, 医学部, 講師 (80202894)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 胎児心拍数 / 胎児血圧 / 新生児脳症 / 低酸素症 / 虚血 / Labor and delivery |
研究概要 |
周産期に起こる脳障害の原因として低酸素虚血が知られているが、それ以外にも、双胎間輸血症候群や子宮内感染症が注目されている。これらはいずれも胎児の低血圧や脳の還流障害が関与していると考えられている。現在、胎児モニターとして心拍数モニタリングが広く用いられているが、この方法では胎児の低酸素症を発見することは可能であっても、胎児の低血圧や脳虚血を判定することは困難である。 そこでわれわれは間接的に血圧を測定する方法を胎児にも適用し、その有効性を検討した。これは胎児心電図(臨床的には胎児の児頭電極から得られる)と動脈の脈波(臨床的には胎児の頬部に装着した経皮酸素濃度SpO_2から得られる)から、脈波伝搬時間を算出し、血圧を推測する方法である。一般に血圧は脈波伝搬時間に反比例する。日本コーリン社製のalgorithmを胎児用に改変し、心電図のR波と胎児の舌に置いたSpO_2プレスチモグラムの定点から脈波伝搬時間を測定し、リアルタイムに収縮期血圧を算出し、実際の血圧との相関を検討した。対象はヤギ胎仔(n=6)で、子宮に小切開を加えて胎仔の一部を子宮外に出し、心電図電極(前胸壁)とSpO_2プローベ(舌)を装着し、併せて動静脈カテーテルを挿入した。児の血液ガスが正常であるのを確認し、hydralazine(n=8)の直接投与と胎仔からの脱血(n=8)で胎仔血圧を10%低下させ、血圧の実測値と推測値の相関を観察した。両者の相関は有意(p<0.01)であり、相関係数は平均0.8以上、バイアスも8mmHg未満、精度も5mmHg未満であった。 以上の結果から、この方法による胎児血圧の推測は十分な精度をもち、かつ臨床応用可能であり、分娩中に連続的に測定可能であることが示された。臨床応用に関して当大学の倫理委員会からの承認も得た。現在、informed consentを得た上で臨床症例を重ねているところである。
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