「子宮内膜癌のプロモーションに関連する因子の同定および解析」を目的とした一連の研究課題のうち、エストロゲンの細胞増殖症や癌化に関係する作用機構を分子レベルで解明するために、体内に投与されたエストロゲンのシグナルを子宮や乳腺で選択的に阻害可能にすることを目的とする実験計画を立案した。初年度の研究目的達成の一つとしては主として新規のエストロゲン誘導性遺伝子の単離を行うことに着目した。子宮内膜の増殖に関与する遺伝子を同定するために、テストデーターとしてICR系♀性マウスを6週令で動物実験施設に導入し、1週間の訓化をさせた。ペントバルビタールナトリウム(50mg/kg)を腹腔内投与して全身麻酔をかけた後左右の卵巣を摘出し、17β-estradiol(20μg/kg/day)を皮下注射した日を0日として後経持的に子宮を摘出してRNAを抽出した。なお、コントロール群にはオリーブオイルを皮下注射し同様にRNAを抽出した。DNAchip法を用い新規の遺伝子を単離する方法については価格や基盤上に並ぶDNA断片の種類などについてしばらく検討する余地もあり現在のところまだ検討している最中である。また、efp遺伝子欠損マウスの子宮の低形成と17β-estradiolの有意な反応性の低下が認められいる。このことからDNAchip法を用いefp遺伝子の下流遺伝子の単離と同定を行うことを第二の目的としてあげているが現在これらは検討中である。
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