研究課題/領域番号 |
13671783
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
森 望 香川医科大学, 医学部, 教授 (90124883)
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研究分担者 |
星川 広史 香川医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (70294767)
古田 浩 香川医科大学, 医学部, 助教授 (90209180)
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キーワード | endolympatic sac / epithelial cell / non-selective cation channel / calcium-sensitive channel / patch-clamp / Fura-2 |
研究概要 |
電気生理学的なアプローチを用いて内リンパ嚢上皮細胞のイオンチャンネルの性質を調べた。パッチクランプ法のsingle channel recordingにてイオン電流を測定し、細胞内カルシウム濃度の変化をFura-2 ratiometryにて測定した。材料として白色モルモットから単離した内リンパ嚢上皮細胞を使用した。 Non-selective cation channe1が同定された。Ion permeability ratioは P Na/P Kは0.94、P C1/P Kは0.13、P Ca/P Kは0.49であった。このチャンネルの活性は細胞内のカルシウム濃度に依存しており、cell attached patchにて0.6-10μMで活性化された。このチャンネルは細胞外ATPにより活性化された。細胞外ATPは細胞内のカルシウム濃度の上昇をもたらし、それによりチャンネルの活性化が起こることを明らかにした。 内リンパ嚢内リンパは蝸牛、前庭・半規管の内リンパとは異なり、ナトリウム濃度がカリウム濃度より高いため、内リンパ嚢内リンパの恒常性維持にナトリウム輸送が重要であると考えられている。今回、同定できたチャンネルが内リンパ嚢におけるナトリウム輸送に重要な働きをしており、ATPがこのチャンネルを介して内リンパ嚢におけるナトリウム輸送を制御していることが考えられる。今後、さらにパッチクランプ法やイメージング法を用いて、内リンパ嚢におけるナトリウム輸送機構を明らかにする予定である。
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