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2003 年度 実績報告書

内リンパ嚢におけるナトリウムイオン輸送に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13671783
研究機関香川大学(医学部)

研究代表者

森 望  香川大学, 医学部, 教授 (90124883)

研究分担者 宮下 武憲  香川大学, 医学部附属病院, 助手 (60363214)
古田 浩  香川大学, 医学部, 助教授 (90209180)
キーワードendolymphatic sac / epithelial cell / sodium transport / fluorescence measurement / SFBI / AM / mitochondria stain / cell type
研究概要

イメージング手法を用いて内リンパ嚢におけるナトリウム輸送の動態を調べた。材料として白色モルモットからシート状に採取した内リンパ嚢中間部上皮細胞組織を用い、SFBI/AMにより染色した上皮細胞の細胞内ナトリウム濃度を落射蛍光法およびMeta Flour画像処理システムで測定した。細胞内Na^+測定測定後、10μM rhodamine 123により細胞のミトコンドリアを染色し、Zeiss Axoventを使用し落射蛍光法(励起光488nm)にて観察した。MetaMorphイメージングシステムにより個々の細胞における蛍光強度を解析した。
内リンパ嚢中間部上皮細胞においてNa^+-K^+ ATPaseの働きを抑制するK^+-free solutionを投与し、Na^+-K^+ ATPaseを抑制するとすべての細胞で、[Na^+]_iは上昇した。内リンパ嚢中間部上皮細胞にはNa^+, K^+-ATPase活性が高い細胞と低い細胞が存在し、Na^+, K^+-ATPase活性が高い細胞はミトコンドリア染色でも強く染まった。モルモット内リンパ嚢中間部上皮細胞には形態学的に異なる2種類の細胞であるtype 1 cell (cytoorganelle-rich cell)とtype 2 cell (filament-rich cell)が存在することが報告されているが、ミトコンドリア染色で強く染まる細胞はtype 1 cellと考えられ、Na^+-K^+ ATPase活性が高い細胞はtype 1 cellであることが推定される。内リンパ嚢におけるNa^+輸送には主にtype 1 cellが関与していると考えられる。
type 1 cellのNa^+, K^+-ATPase以外の要素を除外するために他の要素は加味せずに内リンパ系を満たす単なる腔として内リンパ嚢のNa^+輸送能をシュミレーションしたところ、蝸牛内リンパのvolumeを10%変化させるのにかかる時間、すなわち10%の内リンパ水腫が形成される時間が17.9時間(クロライドイオン輸送を伴わない場合は35.8時間)となり、内リンパ嚢・内リンパ管閉塞動物において内リンパ水腫が形成される時間(24時間で38%の増加)と矛盾しない結果になった。内リンパ嚢中間部の上皮細胞(type 1 cell)のNa^+, K^+-ATPaseが内リンパ液の吸収に重要であり、内リンパシステムの恒常性維持に充分な能力を持っていることが示唆される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 宮下武憲: "モルモット内リンパ嚢上皮細胞におけるナトリウムイオン動態"日耳鼻. 106. 573 (2003)

  • [文献書誌] 宮下武憲: "内リンパ嚢上皮細胞におけるNa輸送-形態学的分類とNa輸送能の対応-"頭頸部自律神経. 17. 21-23 (2003)

  • [文献書誌] 宮下武憲: "モルモット内リンパ嚢中間部におけるNa^+輸送-Na^+輸送に伴う内リンパ腔内体積調節能の検討-"頭頸部自律神経. 18. 83-85 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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