研究概要 |
チンチラを用いてかぜウィルスの存在下に中耳炎の起炎菌の耳管からの感染過程を経時的に観察した.更に,その耳管内のどの部分を細菌が上行していくのかを観察した. アデノウィルスをチンチラに経鼻的に接種,その7日後に細菌(インフルエンザ菌)を経鼻的に接種した.その後経時的に鼓膜所見観察,チンパノメトリーを行い中耳炎の推移を記録した.また経時的にチンチラを麻酔後,瀉血断頭し用い中耳骨胞を開き,耳管と中耳粘膜を摘出し急速凍結をおこないクライオスタットで凍結切片を作成し蛍光抗体法にて耳管内および中耳腔内のインフルエンザ菌を染色し耳管内の細菌の上行状態を観察した. その結果,インブルエンザ菌は摂取後約1週間かけて耳管を上行し中耳に到達し中耳炎を起こすことが確認された.またインフルエンザ菌は耳管の内腔の底部(floor)の粘液中を上行していくことが確認された.
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