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2001 年度 実績報告書

頭頸部癌の浸潤転移におけるMT1-MMPと接着因子CD44の相互作用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13671800
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

藤井 正人  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70129633)

研究分担者 田代 昌継  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70296680)
石黒 隆一郎  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20296677)
山下 拓  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00296683)
キーワード頭頸部癌 / MT1-MMP / CD44
研究概要

【方法】まずMT1,2,3-MMPs及びMMP-2の頭頸部扁平上皮癌細胞株における発現の差異,ヒト頭頸部扁平上皮癌組織標本における発現とその局在および臨床病理学的因子との相関を明らかにすることを目的として,Northern blotting,免疫組織化学,in situ hybridizationおよび統計学的手法による検討を行った。さらに頭頸部扁平上皮癌におけるCD44変異体CD44v6およびCD44v2の発現についてまず臨床的特徴との相関を検討した。手術摘出臨床材料を用いてCD44v6、およびCD44v2に対するモノクローナル抗体で免疫組織学的検討を行った。さらにIn vitroにおいて頭頸部扁平上皮癌培養細胞を用いてCD44v6中和抗体添加による癌浸潤能の変化について検討を行った。【結果】頭頸部癌細胞株におけるMT1,2,3-MMPおよびMMP-2のmRNA発現を調べた。4.5kbのMT1-MMPmRNAは5種すべての細胞株において発現していたのに対し,3.6kbのMT2-MMPmRNAはHO-1-N-1における僅かな発現のみにとどまり,12kbのMT3-MMP mRNAの発現はいずれにも認められなかった。一方3.1kbのMMP-2mRNAはMT1-MMPに比べ相対的に弱いながらすべての細胞株に発現していた。癌組織標本における相対的mRNA発現レベルと臨床病理学的因子との関係を検討した。MT1-MMP mRNAの発現レベルは頚部リンパ節転移陽性群の方が頚部リンパ節転移陰性群に比べて有意に高かった(p=0.0081)。一方MMP-2 mRNAには有意差は認められなかった。T分類との間にはMT1-MMP,MMP-2いずれにも相関は認められなかった。また分化度に関してはMT1-MMP,MMP-2ともにG3+G2(低+中分化型)群においてG1(高分化型)群に比し発現レベルが高い傾向を示したが有意差は認められなかった。頚部リンパ節転移を目的変数とした多変量ロジスティック回帰の結果,唯一MT1-MMP mRNA発現が独立危険因子と判定された。一方、頭頸部扁平上皮癌113例の原発巣のCD44免疫組織学的検討では、CD44v6の発現の低下が頸部転移率と、またCD44v2の発現の低下が予後の低下と正の相関を示した。CD44v6については、さらに新鮮凍結標本を用いてELISA法にてCD44v6蛋白を定量し、有意にCD44v6蛋白の低下が頸部転移率と相関することを証明した。頭頸部扁平上皮癌培養細胞4種を用いたIn vitroの検討ではCD44v6中和抗体添加により2種のcell lineにおいてコラーゲンゲル内への浸潤細胞数が増加する傾向が認められた。しかし、癌細胞運動能、増殖能には影響を示さなかった。【今後の展望】MT1-MMPの発現は頭頸部癌の転移能と相関し、CD44v6、v2の発現は生物学的悪性度の指標になり局所浸潤能との関係が注目される。今後これらの相互作用について検討して行く予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 藤井正人 他: "頭頸部扁平上皮癌におけるCD44変異体発現とその役割"日本耳鼻咽喉科学会会報. 104巻4号. 416-416 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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