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2001 年度 実績報告書

アレルギー性鼻炎における鼻粘膜上皮層内への肥満細胞集積の機序:肥満細胞のSubset MC(T)とMC(TC)の役割

研究課題

研究課題/領域番号 13671807
研究機関日本医科大学

研究代表者

RUBY Pawankar  日本医科大学, 医学部, 講師 (00287674)

研究分担者 滝沢 竜太  日本医科大学, 医学部, 助手 (10271347)
キーワードNasal allergy / Mast cell / MC(TC), MC(T) / RANTES / Stem Cell Factor
研究概要

近年、鼻粘膜肥満細胞はTh2型のサイトカインを分泌し、B細胞よりのIgE産生を誘導し、アレルギー炎症の存続にも重要な役割を演じていることを報告した(J Clin Inv, '97, Clin Exp Aller '98)。ヒト肥満細胞は顆粒中に含まれる蛋白分解酵素の種類により2つのサブセットに分類されている。すなわち、トリプターゼのみを含有するMC(T)とトリプターゼのほかにキマーゼやカテプシンG、などの酵素を含有するMC(TC)である。この2種類のヒト肥満細胞は、しばしば薬物に対する反応性やサイトカインの産生能も異なっている。またアレルギー性鼻炎患者の鼻粘膜上皮層にはMC(T)細胞が増加しているが、その集積機序については未だ十分解明されていない。Stem cell factor(SCF)は肥満細胞の増殖、生存維持、遊走に重要な因子である。しかし我々の最近の研究結果から、鼻粘膜固有層のSCF濃度が鼻粘膜上皮層のそれに比して有意に高く、またRANTESの濃度が上皮層に高いことから、アレルギー性鼻炎患者鼻粘膜上皮層へのMC(T)細胞の浸潤調節においては、SCFよりRANTESは重要な遊走因子であると考えられる。また、ヒスタミン、トリプターゼなどの肥満細胞由来のメディエーターは上皮細胞からのRANTES産生を増強させることも判明した。アレルギー性鼻炎患者の鼻粘膜に存在するCD34陽性肥満細胞前駆細胞のFACSsortingにて単離し、96穴においてSCFとIL-6の存在下で6-8週間培養し鼻粘膜の肥満細胞のcell lineを作成いた。MC(TC)細胞をSCF 50-200ng/mlの濃度で培養しChymaseとtryptaseの発現量をELISAにて検討しました。50ng/ml SCFを加えるとMC(TC)細胞がMC(T)に変化する。また、chymaseの量も抑制される。また、MC(TC)細胞がCCR3を発現しRANTESの刺激によって遊走しました。この結果からRANTESが鼻粘膜上皮層に増加しているMC(T)細胞の遊走因子であると明らかになりました。一方、SCFがMC(T)とMC(TC)phenotypeの調節に関与していると示唆される。今後MC(T)とMC(TC)それぞれの機能的特徴を深く理解することにより将来新しい治療方法の開発が可能になると考えられる。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Ahn K., Pawankar R: "Regulation of chymase production in human mast cell progenitors"J.Allergy Clinical Immunol.. 106(2). 321-328 (2000)

  • [文献書誌] Pawankar R, Yamagishi S: "Novel concepts in the patrogeuesn of nasal polyp"Proceedings of IFOS Consensus Meeting 2001. (in press). (2002)

  • [文献書誌] Pawankar R, Saito H.: "Histamine & trypsin apregnte epitheliah cell function"Int.Arch.Allergy Immunol. (in press). (2002)

  • [文献書誌] Pawankar R, Yamagishi S: "Role of scf in regulating mast cell pleuro type"J Allergy Clin.Immunol.. (in press).

  • [文献書誌] Pawankar R, Yamagishi S.: "RANTES reguletis mast cell migration in allergic …"J.J Allergy Clin.Immunol.. (in press). (2002)

  • [文献書誌] Pawankar R: "Epithelial cells as immunoregulators in allergic airway diseases"Curr.Opin.Allergy Immunol. 2(1). 1-5 (2002)

  • [文献書誌] Pawankar R., Yamagishi S: "Mast cells in phinites"Elseivier publicenous (Amsterdam). 358-364 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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