研究課題/領域番号 |
13671808
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
肥塚 泉 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (10211228)
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研究分担者 |
渡辺 昭司 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (00257396)
岡田 智幸 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (50224019)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | 前庭機能障害 / 前庭代償 / リハビリテーション / 前庭-眼反射 / 半規管-眼反射 / 耳石-眼反射 / transfer / vestibular disorders |
研究概要 |
前庭機能に障害を有する患者の治療を行う上で、前庭代償(Vestibular compensation)を促進することを目的に前庭訓練(リハビリテーション)が行われている。現在日常的に用いられているリハビリテーション法、は前庭器単独の訓練ではなく、運動により視覚系、前庭系、深部感覚系に繰り返し刺激を与え、その場合の眼球運動、身体運動を学習させる感覚運動統合訓練である。これは、現在の検査法では、水平半規管以外の病変部位を検出することが出来ないため、めまい、平衡障害患者の正確な部位診断が行えないことに起因する。また、半規管障害の場合は回転加速度負荷、耳石系に障害がある場合は直線負荷を与えて訓練するという、各受容器に対して生理的な刺激を用いて、特異的訓練法を適用することが有用であるのかどうかも、現時点では不明である。今回の研究では、リハビリテーション法の基本原理である、「失われた機能を他の機能で代償する」が、めまい、平衡障害患者に対するリハビリテーションにおいても正しいのかどうかを検証することを目的に、前庭-眼反射の可塑性について検討を加えた。半規管-眼反射については、最大角速度28度/秒で視覚・前庭矛盾刺激を与えた場合、適応現象はより速い最大角速度条件下に移行すること、最大角速度60度/秒では適応現象は他の角速度条件下への移行は認められないことが判明した。また耳石-眼反射と半規管-眼反射の間で適応現象の互いの系への移行現象が存在することが確認された。以上より、前庭機能に障害を有する患者に対してリハビリテーションを行う際は、28度/秒程度の低い角速度と60度/秒の比較的高い角速度の両方で行うことが必要と考えられた。また、障害部位に関係なく、患者にできる範囲内での刺激から開始すればよいことが示唆された。
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