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2001 年度 実績報告書

蝸牛内・外有毛細胞の細胞内情報伝達機構と聴器障害性薬物の影響の研究

研究課題

研究課題/領域番号 13671809
研究機関関西医科大学

研究代表者

大西 純夫  関西医科大学, 医学部, 助手 (80257914)

キーワード蝸牛内有毛細胞 / 蝸牛外有毛細胞 / 収縮運動 / 細胞内塩素イオン膿度 / アクチン線維
研究概要

内有毛細胞の細胞骨格は、外有毛細胞と類似しており、また内有毛細胞にも外有毛細胞と同様の収縮蛋白が存在するという報告は、過去に見られる.しかし、内有毛細胞が収縮運動能を有するという報告はない。我々は、単離内有毛細胞に、外有毛細胞に行なったものと同様の系にて実験を行ない、その収縮機構について検討した。モルモットの蝸牛よりコルチ器を取り出し、外有毛細胞と同様に機械的に内有毛細胞を単離した。単離内有毛細胞に、10mMのMQAEを負荷し、外有毛細胞と同様のシステムにて観察記録した。また、電気刺激や薬物の投与方法も外有毛細胞の系と同様に行なった。(1)内有毛細胞は矩形波電気刺激にて外有毛細胞と同様に体積減少を伴って収縮した。この時同時にMQAE蛍光強度は急速に増加、すなわち細胞内塩素イオン濃度の急速な現象が見られた。その後、細胞は伸展し、細胞内塩素イオン濃度も増加して元のレベルへ戻った。(2)この内有毛細胞の電気刺激による収縮運動は繰り返し可能であり、一定の閾値を持っていた。(3)内有毛細胞の収縮は、外有毛細胞とは違いアクチンを脱重合させるサイトカラシンBにてほぼ完全に消失する。内有毛細胞は、外有毛細胞とほぼ同じ細胞膜構造をもつことが報告されているが、その収縮運動の報告はなかった。我々は、矩形波電気刺激により、初めてその収縮運動能を証明した。この収縮は、外有毛細胞とは違いアクチン線維のみの働きにより起こる。しかし、生理的意義については過大音響に対する防御など考えられるが、さらに検討が必要である。

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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