研究課題/領域番号 |
13671815
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中川 陽一 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (10282063)
|
研究分担者 |
佐藤 肇 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (10312571)
和田 裕子 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (70302130)
玉井 信 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90004720)
板橋 俊隆 東北大学, 医学部・附属病院, 医員
|
キーワード | ロービジョン / 視機能評価 / 網膜色素変性 / 加齢黄斑変性 |
研究概要 |
光覚測定装置LoVEの改良を更に進めた。被験者が装用する刺激用ゴーグルは従来型と比較して堅牢となり、また測定ストラテジーの改良により、検査時間はおおむね3分以内へと短縮することが可能となった。LoVEはLED発光に対する被験者の応答を記録するものであるが、これまでは複数の時間と輝度の組み合わせによる刺激を用いるため、その検査結果を間隔尺度として扱う統計処理が困難であった。そのため従来型LoVEを改良し、発光時間を一定として輝度のみを変化させる時間固定型LoVEを作成し、網膜色素変性患者の視機能評価を行うとともに、従来型LoVEの検査結果との比較を行った。 時間LoVEにおける発光時間は0.2秒に固定、輝度は1000cd/m^2を0dbとし2.5dB刻みで0.1cd/m^2(40dB)まで呈示可能とした。時間固定型LoVEによる測定結果(LoVE閾値)は視力、残存視野立体角(Steradian)との相関を示し、また従来型LoVEによる測定結果(LoVEスコア)とも高い相関を示した。本装置を用いて網膜色素変性に対する薬物治療効果の評価を行ったが、本研究期間内においては暗順応改善薬(ヘレニエン)内服群と非治療群の間で有意差は認められなかった。 時間固定型LoVEは結果解釈の容易さや統計処理の点で優れ、薬剤治療効果の判定などにも有用であると思われる。また両装置間の検査結果の高い相関は、従来型LoVEによる測定も視機能を段階的に評価する基準として適当であることを示唆するものと考えられた。
|