研究課題/領域番号 |
13671816
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
志村 雅彦 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (20302135)
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研究分担者 |
山口 克宏 東北大学, 医学部附属病院, 助教授 (20200610)
富田 浩史 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (40302088)
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キーワード | パッチクランプ法 / 虹彩色素上皮細胞 / 毛様体無色素上皮細胞 / 網膜色素上皮細胞 / 内向き整流性カリウムチャネル / Kir7.1チャネル |
研究概要 |
平成14年度においては網膜色素上皮細胞における特異的な内向き整流性カリウムチャネルであるKir7.1チャネルが眼内の他組織に発現しているかを検討した。虹彩色素上皮細胞は網膜色素上皮細胞と起源を同一にし、網膜疾患に対する新たな治療法として着目されている網膜下への細胞移植に際し有効な細胞として期待されているがその機能についてはほとんど知られていない。今回我々は虹彩色素上皮細胞を急性単離し、その細胞膜にKir7.1チャネルが発現していることをRT-PCR法によりRNAレベルで同定した。一方、単離細胞に網膜色素上皮細胞と同一の性質を有する膜チャネルコンダクタンスが機能発現していることを示した。さらにKir7.1チャネルに対するポリクローナル抗体を用いてその局在は硝子体側にあることを示し、網膜色素上皮細胞と同様、極性を有していることを示すことが出来た。これらの結果は現在American Journal of Physiologyに投稿中である。一方、免疫染色の結果から毛様体無色素上皮細胞には豊富にKir7.1が局在することがわかった。毛様体無色素上皮細胞では細胞間隙に存在するNa-K ATPaseの働きによりNaの濃度勾配が形成され、これにより房水が硝子体腔へ誘導されていると言われているが、この際に引き込まれる細胞外Kの供給に関しては全くわかっていなかった。Kir7.1チャネルは網膜色素上皮細胞においてはNa-K ATPaseと共役的に働き網膜下腔で消費されるカリウムイオンを供給する役割を果たしている。したがって毛様体無色素上皮細胞においてもNa-K ATPaseと共役して房水の導出に重要な役割を果たしている可能性がある。
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