平成13年度に検証を行った網膜電図(以下ERG)測定装置を用いて、同意の得られた患者より引き続き測定を行った。そのERGデータを正常被験者のデータと比較し、またその他の眼科的検査結果(視力、視野、眼底所見、暗順応所見など)とも合わせて総合的に評価した。眼科疾患として、網膜色素変性症、錐体ジストロフィー、先天網膜分離症、小口病、網膜中心静脈閉塞症、ビタミンA欠乏症などが挙げられる。Negative ERGと輪状暗点を伴った錐体ジストロフィーの1例を報告した(Neuro-ophthalmology、印刷中)。Supernormal and delayed b-wave ERG syndromeのP3とderived P2の解析結果(第106回日本眼科学会総会、平成14年5月)、片眼性色素性傍静脈網膜脈絡膜萎縮患者のERG所見、および眼底に限局性白点変化を認めたピタミンA欠乏患者のERG所見(第50回日本臨床視覚電気生理学会、平成14年8月)を発表した。第41回国際臨床視覚電気生理学会(平成15年4月)に異常なON/OFF反応を示す夜盲患者のERG所見、および正常暗順応曲線とnegative ERGを示す患者でみられた異常筋電図所見を、第107回日本眼科学会総会(平成15年4月)にEnhanced S-cone syndromeのOCT所見を発表予定である。また研究調査・打ち合わせのため、平成14年10月にドイツ・チュービンゲン大学を訪問した。
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