研究課題/領域番号 |
13671830
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
岩本 隆司 名古屋大学, アイソトープ総合センター, 助手 (60223426)
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研究分担者 |
三宅 養三 名古屋大学, 医学部, 教授 (30166136)
浜口 道成 名古屋大学, 医学部, 教授 (90135351)
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キーワード | myoseverin / PC12細胞 / 神経成長因子 / 分化 / 再生 / RalGDS |
研究概要 |
我々は多核筋管細胞C2C12細胞の単核細胞への分裂を誘導するプリン誘導体であるmyoseverinの神経分化、再生に対する効果を検討した。 1 マウス褐色細胞腫PC12に神経成長因子(NGF)を添加して分化を誘導したのち、myoseverinを添加し、その形態にたいする影響を顕微鏡下で観察した。その結果、筋管細胞に見られる様な明らかな脱分化を観察することはできなかった。そこで、上記成長因子と共にmyoseverinを添加して、その分化に対する影響を観察したところ、軸索の進展の抑制が約15%の細胞において確認された。しかしながら、これらの細胞はmyoseverin無添加時と同様に分裂することなく最終的にはアポプトーシスを起こし,再生を誘導することは出来なかった。 2 これらのmyoseverinの部分的な分化抑制効果がどのようなメカニズムで誘導されるかを検討した。最近、他の研究者らにより、Ral Guanine Nucleotide Exchange Factor(RalGDS)がPC12細胞の軸索進展を抑制すること、myoseverinがC2C12myoseverinを添加後、RalGDSの発現をノーザンブロット法で検討した結果、これらの細胞においても誘導が確認された。これらの事実より、myoseverinの分化抑制効果はRalGDSの発現誘導に少なくとも部分的には因っている可能性が示唆された。さらに現在、myoseverin無添加、添加PC12細胞からcDNAライブラリーを作成し、サブトラクションクローニングを行い、myoseverinにより誘導される他の遺伝子の同定を試みている。
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