研究概要 |
今回、まず角結膜上皮が産生するムチンがどういった因子でその発現が変動するかを検討するため、まず角結膜上皮が賛成するするMUC1において炎症性サイトカインであるIFN-gにおける反応を検討した。角膜上皮を培養させ、その培養液にIFN-gを10、100、100IU/mlを添加するとMUC1mRNAの発現が添加後24時間後で発現がいずれも増加していた。さらに同じIFN-gの濃度では12,24,48時間と時間経過につれてその発現は増強していた。つまりIFN-gは角膜上皮のMUC1発現を濃度、および時間依存性に増強させることが明らかとなった。こうしたin vitroでの結果をもとにin vivoで同様の発現増強が起こるかを検討するため、ラットの結膜下にIFN-gを注射にて投与するとやはりMUC1mRNAの発現が添加後24時間後で発現が増加していた。これをさらに淡白レベルで検討するため48時間後角膜上皮を採取しWestern blotでその発現を見るとタンパクレベルでもMUC1の発現が増強されており、こうしたIFN-gによる角膜上皮でのMUC1発現の増強はin vitroだけでなくin vivoでも認められることが明らかになった。IFN-gが炎症性のサイトカインであることから、目の何らかの炎症がある場合、臨床上も角膜上皮でムチンの発現が増強され、上皮の保護がされている可能性を示している。またアレルギー性でも臨床上ムチンの増強と考えられるmucus threadがみられることから現在さらにIL-4、IL-5などのサイトカインでどのような変動をおこすか検討中である。
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