研究課題/領域番号 |
13671857
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
仙崎 英人 関西医科大学, 医学部, 助教授 (10206659)
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研究分担者 |
弓削 堅志 関西医科大学, 医学部, 助手 (10247942)
四方 伸明 関西医科大学, 医学部, 助教授 (00121939)
螺良 愛郎 関西医科大学, 医学部, 教授 (90098137)
芳賀 敏実 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (20192263)
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キーワード | Retinitis pigmentosa / N-methyl-N-nitrosourea / Apoptosis / Hyperoxia / Photoreceptor cell / Nicotinamide / Mouse / Rat |
研究概要 |
1.我々の確立したN-methyl-N-nitrosourea(MNU)誘発網膜変性症は視細胞アポトーシスに起因し、ヒト網膜色素変性症と同一機転による(Am J Pathol,1996)。このモデルを用いて、caspase-3阻害剤による病変の制御に成功した(Exp Eye Res,2000)。なお、caspase-3阻害剤はrd遺伝子誘発網膜変性症の抑制にも有効である(印刷中)。しかし、caspase-3阻害剤による変性の制御はMNUモデルにおいては網膜辺像部においてのみで、後極部では不完全であり、rdモデルにおいては一過性であり、網膜変性の抑制は完全とは云い難い。 2.低酸素状態はアポトーシスの誘因となるが、代謝活性の高い視細胞は酸素要求度は高いにもかかわらず、低酸素環境下にある。よって、高濃度酸素による網膜微小環境の改善による網膜変性のより完全な抑制につき、MNUマウスモデルを用いて検討した。実験はC_<57>BLマウスに50mg/kgMNUを単回腹腔内投与し、直ちに21%、45%、70%、95%の酸素濃度環境下に3時間暴露し、7日後に屠殺して網膜を観察した。なお、95%酸素群では既法に則り(Lee AE and Wilson WR, Toxicol Appl Pharmacol, 2000)、血流増大作用を有するニコチン酸アミド(1000mg/kg)をMNU投与直後に単回皮下注射し、酸素分配の増感作用を期待した。結果、高濃度酸素群(95%酸素)では、網膜の後極・辺像部を問わず、網膜全周性に視細胞アポトーシスの軽減をみた。微小環境(生理的低酸素状態)の改善により病変の完全制御が可能とのデータを得た。今後、ラットMNUモデルにおける実験を加えるとともに、酸素供給時間の検討やニコチン酸アミドの併用を中止した群も作製するとともに、病変抑制機序を解析し、データを補強する予定である。
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