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2001 年度 実績報告書

自然発症糖尿病モデルラット(WBN/Kob)における増殖性網膜症の研究

研究課題

研究課題/領域番号 13671860
研究機関摂南大学

研究代表者

松浦 哲郎  摂南大学, 薬学部, 講師 (20268494)

研究分担者 尾崎 清和  摂南大学, 薬学部, 助手 (40268496)
奈良間 功  摂南大学, 薬学部, 教授 (80268490)
キーワードRetinopathy / Diabetic retinopathy / Neovascularization / WBN / Kob / Rat
研究概要

本年度においては糖尿病ラットの硝子体および網膜上に血管構築が生じているか否かを組織学的に明らかにするため、眼底部の詳細な形態学的解析を実施した。方法としては雄WBN/Kobラット10匹について、尿糖および血糖を継続的に測定し、24ヶ月齢時に剖検した。組織学では4%パラホルム+2%グルタールアルデヒド液を用いて、眼球の潅流固定を行い、免疫組織学検査では4%パラホルム液で眼球を浸漬固定した。摘出した眼球の角膜を固定液中で切除した後、眼底部の変化を実体顕微鏡下で観察し、さらにエタノール系列で脱水後、パラフィン包埋した。連続切片を作製後、すべての組織についてヘマトキシリン・PAS染色およびアザン染色を行い、パラホルム単独で固定した眼球に対しては、FactorVIII抗体による免疫染色を行った。以上の結果、24ヶ月齢までモニターした10匹の雄WBNのいずれも高血糖状態が長期間、持続し(10〜24ヶ月)、全例に両眼性の白内障が観察された。実体鏡下で、角膜および網膜の部を除去すると10例中5例の硝子体および網膜上に、増殖性の変化が認められた。すなわち、これらの例では、水晶体と網膜間に白色繊維状の物質が広範囲に観察され、内部に管状の構造が多数認められた、実体鏡で異常を認めた5例のWBN雄の眼球について連続切片を観察すると、硝子体に認めた白色塊はエオシン好性の網状の結合織で必ず乳頭部の血管と繋がっており、結合織内部にはPAS陽性の管腔構造が多数認められた。Azan染色では、エオシン好性の網状の結合織は膠原線維が主体であり、さらに結合織内に認められたPAS陽性の管腔はFactorVIII抗体にも陽性反応を示した。今回の結果から、老齢の雄WBN/Kobラットの網膜上および硝子体内で、結合織および血管が新たに増生されていることが組織学的に示された。ヒトでは増殖性段階になると、網膜内血管は網膜表面から離れ、硝子体に向かって成長してくる。今回、雄WBN/Kobラットに認められた硝子体内の新生血管はヒトのそれと形態的に酷似していた。

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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