研究課題/領域番号 |
13671876
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形成外科学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
吉本 信也 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (90220748)
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研究分担者 |
野村 純 千葉大学, 教育学部, 助教授 (30252886)
喜多 和子 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (80302545)
一瀬 正治 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (90082156)
杉田 克生 千葉大学, 教育学部, 教授 (40211304)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | ケロイド / 線維芽細胞 / アポトーシス / p53 / Bax / MAPキナーゼ / p38 / メカニカルストレス |
研究概要 |
ケロイドの成因の一つとして、ストレスにより誘導されるアポトーシスに耐性になっていることが考えられている。このため正常皮膚由来の線維芽細胞とケロイド由来線維芽細胞で種々のストレスに対する致死感受性の差を検索した。この結果、N-methyl-N'-nitro-N-nitrosoguanidine(MNNG)処理に対して正常皮膚由来線維芽細胞は致死感受性なのに対し、ケロイド由来線維芽細胞は耐性であった。MNNG処理により細胞内のp53およびBax分子の発現量が増加することが示された。さらに、JAMICの落下装置により線維芽細胞にメカニカルストレスを負荷したところapoptosis細胞の割合の増加を認めた。また、apoptosisを制御するp53分子の発現量は、細胞質内では大きな差が見られなかったが、核内では増加していることが示された。これはメカニカルストレスによりp53の核内移行が誘導されることを示唆している。また、p53遺伝子導入細胞は致死ストレスに感受性化することがわかった。一方、MNNG処理では、p53分子量に関して、細胞質内、核内とも正常皮膚とケロイド由来線維芽細胞とで有意な差が認められなかった。このためさらにapoptosis制御に関するシグナル伝達分子MAPキナーゼのリン酸化の違いについて解析した。この結果、p38分子のリン酸化が正常皮膚由来線維芽細胞では誘導されるのに対してケロイド由来線維芽細胞では誘導されないことが示された。p38はapoptosis誘導に促進的に働く分子として知られている。以上の結果より、ケロイド細胞ではp53およびMAPキナーゼシグナル伝達系に異常があることが示唆された。また、メカニカルストレスによる致死感受性の変化にはp53分子が重要であることが示唆された。
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