研究課題/領域番号 |
13671880
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
中西 秀樹 徳島大学, 医学部附属病院, 教授 (90164235)
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研究分担者 |
戸田 真記 徳島大学, 医学部附属病院, 医員(臨床)
橋本 一郎 徳島大学, 医学部附属病院, 助手 (70314870)
中屋 豊 徳島大学, 医学部, 教授 (50136222)
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キーワード | 糖尿病 / 皮膚微小循環 / 皮弁壊死 / 血栓形成 / rabbit ear chamber |
研究概要 |
糖尿病は微小循環に障害を与えるとされるが、その具体的な機序は解明されていない。われわれは皮膚への障害に注目して家兎糖尿病モデルに装着したrabbit ear chamberを用いて皮膚微小循環の観察を行った。 アロキサンの投与で作成した家兎の糖尿病モデルではアセチルコリン、L-アルギニン、ニトロプルシッドの投与前後で血管径を測定することにより、微小血管の血管内皮細胞由来の拡張機能障害が示唆されている。本年度はセロトニンレセプターを拮抗することにより血小板凝集抑制作用、セロトニン放出抑制作用などを示す塩酸サルボグレラートの投与をおこない、その微小血管系の反応を観察した。その結果、塩酸サルボグレラートの投与群では糖尿病家兎の細静脈において白血球の血管内皮細胞への接着が少なくなる現象が見られた。このことは白血球接着現象にセロトニンレセプターが関与していることを示唆するものと考えられた。 つぎにフルオレセインと励起光による血栓実験では塩酸サルボグレラートの投与群では、非投与群に比べて細動脈と細静脈のそれぞれで血栓形成時間が延長した。細動脈の血栓成分は血小板が中心であることと、細静脈の血栓成分は白血球が最初に関与し、さらに赤血球や血小板がしだいに血栓を形成することが今回の実験でも観察された。このことから、塩酸サルボグレラートは血小板および血管に局在するセロトニンレセプターを拮抗するために、強力な抗血栓作用を示し細動静脈の両方で血栓形成時間を延長したことが考えられた。
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