研究課題/領域番号 |
13671886
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形成外科学
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
ガジザデ モハマッド 日本医科大学, 老人病研究所, 助教授 (30190979)
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研究分担者 |
川並 汪一 日本医科大学, 老人病研究所, 教授 (70096973)
土佐 眞美子 日本医科大学, 医学部, 助手 (30301568)
平井 隆 日本医科大学, 医学部, 助教授 (40208799)
江見 充 日本医科大学, 老人病研究所, 教授 (90221118)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | ケロイド / cDNAマイクロアレイ / 線維芽細胞 / 遺伝子発現 |
研究概要 |
ケロイドは、日本人にしばしば見られる難治性疾患であり、その発生に関与する分子メカニズムは未だ解明されていない。そこで本研究はケロイド由来線維芽細胞および正常皮膚線維芽細胞それぞれの遺伝子プロフィールを解析することを目的としてcDNAマイクロアレイ法を用いて、ケロイド発生に関する一群の遺伝子を明らかにした。ケロイド由来線維芽細胞および正常皮膚線維芽細胞それぞれの遺伝子プロフィールを同定、比較すると総括的にケロイド線維芽細胞は数多くの遺伝子増加と減少を示した。これらの遺伝子の中で細胞周期,アポトーシスまたはマトリックスに関する遺伝子を数個確認した。その結果、ケロイド線維芽細胞は"synthetic"フェノタイプを持っていることを明らかにした。これらの遺伝子群の中で、c-Ablを含む幾つかのチロシンキナーゼ、またcdc25Aを含む幾つかのチロシンフォスファターゼ遺伝子の発現上昇が認められた。さらに免疫組織学的解析とWestern blot法を用いたc-Ablおよびcdc25Aの発現上昇を確認し、ケロイド発生と細胞周期の関連性について解析した。これらの結果を私どもは、形成外科および皮膚科領域で初めて報告した。 c-Ablおよびcdc25Aは、それぞれチロシンキナーゼ、チロシンフォスファターゼファミリーに属し、多種多様のシグナル伝達をコントロールする重要な制御機能を持っていることが知られている。今後、ケロイドおよび肥厚性瘢痕における多数のチロシンキナーゼ、チロシンフォスファターゼファミリーの解析へ発展させる。さらに、特異的シグナル伝達経路を解明し、それらの抑制を分子標的およびRNA干渉(RNA interference or RNAi)法を用いて明らかにする。同時に、多数のチロシンキナーゼ抑制因子をのせたマイクロアレイ、およびチロシンフォスファターゼ抑制因子をのせたマイクロアレイの開発まで発展させ、簡便なスクリーニング法の確立を目指したい。
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