研究課題/領域番号 |
13671894
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
菅原 俊二 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (10241639)
|
研究分担者 |
根本 英二 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (40292221)
高田 春比古 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (30135743)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
キーワード | 口腔上皮細胞 / 粘膜免疫 / サイトカイン / 線維芽細胞 / 唾液 / 自然免疫 / 好中球プロテアーゼ / 歯周病 |
研究概要 |
1)ヒト口腔上皮細胞はインターロイキン(IL)-18を前駆体として細胞質内に発現し、インターフェロン-γ(IFN-γ)で前処理した口腔上皮細胞を好中球セリンプロテアーゼの一つproteinase 3(PR3)と内毒素性リポ多糖(LPS)との共存下で刺激した場合に活性型IL-18産生されることを明らかにした。さらに、PR3はGタンパク共役受容体protease-activated receptor-2を介して活性化することを明らかにした。 2)口腔上皮細胞は細菌パターン認識レセプターであるCD14分子を発現しないが、各種菌体成分認識にかかわるTLRs/MD-2/MyD88系の分子群を発現している。しかし、遊離型CD14の存在下でも多くの菌体成分に対して不応答性であった。一方、同細胞は黒色色素産生菌(BPB)の菌体成分(線毛や糖タンパク)に対しては応答した。さらに、同細胞はIFN-γ前処理によりTLR系分子群の発現亢進に伴い応答能を獲得することを明らかにした。 3)BPBの糖タンパクはLPSとは異なり、TLR-2を介して宿主細胞を活性化するとの知見も得た。 4)CD14を発現している歯肉線維芽細胞にも菌体成分応答能にかんして同様の機構があることを明らかにした。また、歯根膜線維芽細胞は歯肉線維芽細胞に比べCD14の発現が低いがTLR2を強く発現し、歯肉線維芽細胞は主にグラム陰性菌の成分に、歯根膜線維芽細胞はグラム陽性菌の成分に応答能を有することも明らかにした。さらに、主要な歯周病原菌が産生するシステインプロテアーゼ(ジンジパイン)は歯肉線維芽細胞の発現するCD14を特異的に分解し,CD14依存性免疫応答を減弱させた。 5)CD14は唾液中にも存在し、唾液CD14は主として耳下腺に由来することも明らかにした。
|