研究概要 |
βディフェンシ、LL37、hCAP-18は口腔上皮での細菌感染防御機構に大きく関与していることが示唆されてきているが、これらのタンパクの抗菌作用の強弱については全く明らかになっていない。本研究では、マクロファージ細胞株J774.1にβディフェンシン-1と-2、LL37、hCAP-18の遺伝子を導入することによりこれらのタンパクを発現させActinobacillus actinomycetemcomitance (Aa)の感染率からこれらのタンパク発現の細胞への感染抑制効果を明らかにすることを目的とした。 ヒトβディフェンシン1および2の全長のcDNAをHigh federityの耐熱性DNA polymeraseを用いたPCR法により増幅し、Hygromycin耐性プラスミドpcDNA1.1につなぎ込み、βディフェンシン蛋白発現ベクターを作製した。この発現Vectorをlipofection法にてJ774.1へ遺伝子導入し、RT-PCR法によってヒトβディフェンシン1および2mRNAの発現について検索したところ、これらの発現が確認された(hBD-1/J774.1, hBD-2/J774.1)。この確立された細胞株(hBD-1/J774.1, hBD-2/J774.1)を用いて、遺伝子導入していない細胞株J774.1をコントロールとして、Aaの感染抑制効果について、standard quantitative assay MTT assay, quantitative DNA fragmentation assayにより検索した。hBD-1/J774.1, hBD-2/J774.1いずれの細胞でもJ774.1よりもAa菌感染による細胞死率が低下しており、hBD-1、hBD-2遺伝子導入により感染抵抗性の向上が確認された。
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