研究課題/領域番号 |
13671908
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
野坂 洋一郎 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (60048379)
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研究分担者 |
小野寺 政雄 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (10326689)
大澤 得二 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (00103747)
藤村 朗 岩手医科大学, 歯学部, 助教授 (80173459)
奈良 栄介 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (10275571)
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キーワード | 歯周組織 / 微小循環 / 血管構築 / 基底膜 / レーザードプラー血流計 / 血管透過性 |
研究概要 |
歯肉の血管は歯肉溝上皮側には単純な網目状の血管網が上皮下に存在するが口腔前庭側の上皮下にはヘヤーピン状の毛細血管のループが結合組織乳頭の中に入り込んでいる。歯肉に炎症が派生すると、血管の形状に大きな変化が現れ、蛇行、ねじれ、吻合をきたす。このために血流に変動を来すのはレーザードプラー血流計で血流量を計ることができるが、血流量は血管の構築、心臓の拍動により大きく変化する。心拍をパルスオキシオメーターで捉え、血流をレーザードプラー血流計で捉え、計測した部位の血管構築像を鋳型標本で検索した。血流速度の異なる血管毎に心拍数との相関性を求めてみると、血流速度と心拍数の間に相関性が0.6〜0.8以上の高い値が認められた。きらに血管径による相関性と血流量をグラフにして視覚化すると、流量が緩やかな血管の相関が高い場合は炎症による血管構築に乱れがあり、健康になると流速の速い血管に高い相関性が出現した。このようにパルスオキシオメーターで心拍数を捉え、血流をレーザードプラー血流計で計測する時間周波数解析は歯肉健康度の有効な判定基準になると思われた。特に、炎症が派生すると細静脈から新しい血管芽が出現し複雑な吻合や新しいループ、網目を形成して、流速の低下を来たしていた。この装置を用い歯根膜の血流を動脈性と静脈性の血管に区分して計測をしてみると動脈性血管の平均周波数は4000Hz、静脈性血管は300Hzで動脈性血管の流量は8.87ml/min/100g、静脈性血管の流量は2.84ml/min/100gであった。歯を移動させて歯根膜血管を圧迫すると圧迫10分後では静脈性血管は37%、動脈性血管は80%に減少し、その後30分間はこのままの状況がつづいた。しかし、3日目には静脈性血管で94%、動脈性血管では110%と圧迫前の流量に回復していた。歯の移動には初期の血流のコントロールが重要と示唆された。
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