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2002 年度 実績報告書

組織培養による歯胚の形態形成と軟骨細胞の石灰化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13671909
研究機関岩手医科大学

研究代表者

名和 橙黄雄  岩手医科大学, 歯学部, 教授 (50020748)

研究分担者 藤原 尚樹  岩手医科大学, 歯学部, 助手 (20190100)
石関 清人  岩手医科大学, 歯学部, 講師 (50057775)
キーワード組織培養 / メッケル軟骨 / 歯胚 / 細胞分化
研究概要

(1)下顎頭軟骨細胞の形質転換に関する研究
下顎頭軟骨は発生学的には二次軟骨であり、関節軟骨としては特異な組織学的構築をなしていることで知られている。下顎頭軟骨細胞は軟骨性骨化の間に肥大軟骨細胞になって変性に陥ることが判明しているが、肥大軟骨細胞の一部は骨髄に達して活発な骨形成に参加するという報告もあり、下顎頭軟骨細胞の運命については不明のままであった。本研究では、マウス、ウサギの下顎頭軟骨細胞を用いて、器官培養、細胞培養における軟骨細胞の骨細胞への形質転換を免疫組織化学、電子顕微鏡、遺伝子発現等の観察から検討を行った。その結果、培養軟骨細胞は形態変化に伴って、type I、type Xコラーゲン、osteocalcinmRNAsの遺伝子発現が観察され、骨細胞へ形質転換することが確かめられた。
(2)歯胚の歯根形成に関する研究
生後5日のマウスを用いて、我々が考案した培養法による歯根部の三次元培養を行ない、今回はInsulin like groth factor-I(IGF-I)の作用について検討した。切片標本ではIGF-I receptorはHertwig上皮鞘の外エナメル上皮に顕著に認められた。この歯胚を上記器官培養系を用いて、IGF-I,anti IGF-I antibodyを添加して培養を行った。無添加培養群(対照群)と比較するとIGF-I添加群では有意にHertwig上皮鞘の伸長が認められ、この伸長はanti IGF-I antibody添加により抑制された。また、IGF-I添加群ではHertwig上皮鞘の外エナメル上皮のDNA合成が特異的に促進された。これらの結果から、IGF-IはHertwig上皮鞘のDNA合成に、初期歯根形成に関与していることが明らかになった
(3)軟骨細胞の脂肪細胞への形質転換に関する研究。
胎生期メッケル軟骨培養実験中に仔牛血清からニワトリ血清に交換すると、メッケル軟骨が高頻度で脂肪細胞に形質転換することが判明した。本年度は歯髄細胞、皮下線維芽細胞、骨原性細胞3T3-E1を使用して形質転換に関する研究を行った。その結果、細胞の由来によって多少の差異はあるが、いずれも脂肪細胞に転換することが判明した。本態は不明であるが、ニワトリ血清には間葉細胞に共通する作用因子の存在することが明らかになった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] H.Inoue, Y.Hiraki, T.Nawa, K.Ishizeki: "Phenotypic switching of in vitro mandibular condylar cartilage during matrix mineralization"Anatomical Science International. 77. 237-246 (2002)

  • [文献書誌] K.Ishizeki, N.Takahashi, T.Nawa: "Phenotypic characteristics of adipocytes generated from Meckel's condrocytes in response to chick serum in vitro"Cell Tissue Res.. 309. 251-260 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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