研究概要 |
P.gingivalis GroELによる骨吸収機構について解析した。 1、妊娠14日目ddyマウス胎児頭蓋冠骨細胞を用い、P.gingivalis GroEL 0.1μg/mlから10μg/mlまで刺激してもほとんど骨吸収刺激作用が認められなかった。 2、セルソーターで分取した純度95%以上のαβT細胞およびγδT細胞を用い、胎児頭蓋冠骨細胞との共存培養下でP.gingivalis GroELの骨吸収刺激作用を検討したところ、γδT細胞共存下において骨吸収刺激作用が認められたが、αβT細胞共存下では認められなかった。このγδT細胞共存下における骨吸収刺激作用はγδT細胞数依存的であった。 3、このγδT細胞共存下でのP.gingivalis GroEL刺激による骨吸収活性は、OCIF添加によって抑制された。 4、P.gingivalis GroEL刺激によって、γδT細胞からRANKL遺伝子発現がTaqMan probeを用いたリアルタイムRT-PCRで検出された。 5、胎児頭蓋冠骨細胞中の破骨細胞前駆細胞(Mac-1(+),c-Fms(+),RANK(+))とγδT細胞またはαβT細胞と共存培養下において、P.gingivalis GroELで刺激したところ、γδT細胞との共存培養下でのみTARP陽性細胞が形成された。 以上の結果から、P.gingivalis GroEL誘導性骨吸収刺激作用には、γδT細胞の関与が明らかとなった。
|