研究概要 |
エストロゲンの欠乏によって引き起こされる閉経後に生じる骨粗霧症の原因になっている。そこでエストロゲンの骨再生に与える影響を検索する目的で,卵巣摘出ラット(Ovariectomized rat, OVXラット)を用い,骨欠損の治癒過程におけるBMPおよびそのreceptorの局在を観察した。 材料と方法:体重約450gのWistar系ラットの両側の卵巣を摘出し低カルシウム食で飼育を行い,臼歯を抜歯し,1,2,4,7日,1,2,3,4,8,週間後に固定し,パラフィン包埋した。 1.免疫組織化学・・・・・以下の抗体を使用してABC法で反応を行う。 (1)成長因子:ヒトBMP-2,BMP-4抗体およびマウスTGF-β1,β2,β3,(King Brewing社)抗体を使用する。 (2)リセプター:マウスBMP-4,BMPR-IA, BMPR-IB, BMPR-II抗体を用いて免疫組織化学による検索を行った。 結果:OVXラットの抜歯窩では抜歯後3日目では,線維化が開始し,血管の新生も多く認められた。抜歯後7日目では抜歯窩には線維形成が進行し,抜歯窩底部では骨新生が開始した。この時期では線維芽細胞や骨芽細胞にも反応が見られるが、破骨細胞におけるBMPおよびそのレセプターの遺伝子発現および免疫反応はより強く観察された。抜歯後14日では抜歯窩底部から骨梁形成が認められ,28日目では抜歯窩はほぼ骨組織で満たされていた。また抜歯後3〜7日目では抜歯窩壁面に正常な動物よりも破骨細胞による骨吸収像が多数観察され,正常なラットでは抜歯後4日目に骨形成が観察された。 抜歯窩治癒過程に伴い,BMPおよびそのレセプターの免疫反応は線維芽細胞,前骨芽細胞や破骨細胞にも観察されたが,破骨細胞の免疫反応は最も強かった。 OVXラットでは抜歯窩の治癒過程で破骨細胞による骨吸収時期が遅延することによって,骨形成時期が遅くなるものと考えられた。
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