研究概要 |
生後1-5週齢Wistar系ラットを用いて光顕的,電顕的に検索した.特に電子分光形分析電子顕微鏡(LEO 912AB)を用いて,非散乱電子線による神経網の超微構造,シナプス構造についてポストエンベッディング法を用いた免疫電顕法により観察を行った.その結果,実験動物の離乳期前に相当する1-3週齢では同ニューロンに対してGABA,グリシン,あるいはその両方に対して免疫陽性神経終末が多数観察された.これに対して,離乳期後に相当する4週齢以降の実験動物の三叉神経運動核においてはGABAおよびグリシンに対して免疫陽性を示す神経終末は著しく減少する結果となった. これらの結果は,実験動物の顎運動が,離乳気前の吸啜運動からその後の咀嚼運動に変化する際に,三叉神経運動ニューロンを制御する神経回路網の形成に大きな変更が起こることを示す.
|