研究課題/領域番号 |
13671926
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
池田 健 愛知学院大学, 歯学部・微生物学講座, 講師 (80241131)
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研究分担者 |
吉村 文信 愛知学院大学, 歯学部・微生物学講座, 教授 (50001962)
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キーワード | Porphyromonas gingivalis / 偏性嫌気性菌 / 多剤排出ポンプ / 最小発育阻止濃度 / 薬剤感受性 / 金属イオン / 2成分系 / 歯周病 |
研究概要 |
1.XepEFGの機能P.gingivalisに存在するふたつのRND型薬剤排出ポンプXepCABとXepEFGのうち、その機能が不明であったxepEFGをpBR322にクローニングし薬剤に超感受性の大腸菌KAM3株とAG102AX株とに導入した。すると、重金属イオンNi^<2+>、Co^<2+>に対する最小発育阻止濃度(MIC)がベクターのみを導入した株に対するそれらと比較して2倍に上昇した。即ち、金属イオンの排出への関与を示唆した。2.薬剤耐性と2成分系との関わりP.gingivalisが有する2成分系のうちPG1431/PG1432とPG1797の変異株について種々の薬剤や金属イオンに対するMICを測定した。それらは親株ATCC33277に対するMICと差はなかった。従って、これら二つの2成分系は薬剤耐性の発現調節には関与していないと考えられる。3.XepCAB/XepEFGの金属イオン耐性との関連XepCAB、XepEFGの変異株に対する重金属イオンのMICを測定したところ、XepCAB変異株に対するAg^+のMICが親株に対するそれに比べて1/2になっていた。つまりXepCABは銀イオンを排出している可能性が示唆された。種々の化学療法剤とともに重金属イオンも基質にするRND型多剤排出ポンプが初めて見出された。4.金属イオン耐性に関わる遺伝子とその変異株czcDはRND型重金属イオン排出Czcポンプ(Ralstonia sp.CH34)の機能発現に関わる遺伝子である。P.gingivalisにはそれに相同なPG1408が存在する。その変異株を作製し種々の薬剤のMICを測定したところ、Zn^<2+>のMICが親株のそれと比較して下がっていた。但し、他の薬剤のMICには殆ど変化がなかった。PG1408が重金属イオン排出に関わる可能性が示唆された。
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