研究課題/領域番号 |
13671927
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
亀山 洋一郎 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (70113066)
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研究分担者 |
佐藤 恵美子 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (60111001)
前田 初彦 愛知学院大学, 歯学部, 助教授 (30175591)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | 動物 / 顎骨 / 歯胚 / 培養 / ヘテロサイクリックアミン / 細胞増殖因子 |
研究概要 |
本研究では、ヒトの顎骨に生じる歯原性腫瘍の発生メカニズムを解明するために、発癌物質のヘテロサイクリックアミンであるTrp-P-2およびMeIQxと細胞増殖因子であるTGF-αが歯胚組織におよぼす影響を実験的に検索した。実験Iでは、ddYマウスの下顎第一白歯の歯胚をTrp-P-2とTGF-αを加えた培地で器官培養を行い、培養歯胚の発育過程におよぼすTrp-P-2とTGF-αの影響を組織学的ならびに免疫組織学的に検索した。その結果、細胞増殖因子のTGF-αは歯胚の歯原性上皮細胞の分化を抑制したが、それらの細胞の増殖には促進的に作用していた。また、発癌物質のTrp-P-2は歯胚の歯原性上皮細胞の増殖には抑制的に作用していた。実験IIでは、ddYマウスの下顎第一臼歯の歯胚の器官培養を行った後、それらの歯胚をBalb/Cヌードマウスの背部皮下組織中に移植して、移植歯胚の発育過程におよぼす発癌物質のMeIQxと細胞増殖因子のTGF-αの影響を組織学的ならびに免疫組織学的に検索した。その結果、MeIQxとTGF-αは歯胚の歯原性上皮細胞の増殖には促進的に作用していた。実験IIIでは、ddYマウスの下顎第一臼歯の歯胚の器官培養を行った後に、それらの歯胚をヌードマウスの背部皮下組織中に移植し、移植歯胚の発育過程におよぼす発癌物質のTrp-P-2と細胞増殖因子のTGF-αの影響を組織学的ならびに免疫組織学的に検索した。その結果、Trp-P-2とTGF-αを併用して用いると、歯原性上皮細胞の増殖が認められ、上皮の一部は角化し、角質変性による嚢胞様空隙の形成も認められた。以上、本研究の結果から、ヒトの歯原性嚢胞や歯原性腫瘍の発現においても、発癌物質や細胞増殖因子が関与していることが示唆された。
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