研究概要 |
1.Histone H3 mRNAとp53 proteinの染色法に関し、CSA法、Envision法、LSAB法などを応用して二重に染色する方法を再度検討した。その結果、histone H3をin situ hybridizationに続き、P53はLSAB法でAECで染色し、最後にhistone H3をBCIP/NBTで染色する方法が最良であることがわかった。 2.ラットにBrdUを投与して小腸のパラフィン切片を作成し、histone H3とBrdUを染色した。その結果、histone H3が検出されたことから同方法はラットの細胞にも応用できることがわかった。また、BrdUの陽性細胞はhistone H3のそれより多く観察された。なお、DMBA塗布によるラットの発癌は進行中である。また、ヒト口腔癌を用いてhistone H3とki-67を染色した結果、それら二重に染色された細胞が多くみられ、ki-67陽性細胞の方が多かった。 3.口腔領域に発生した腫瘍病変のパラフィン切片を作成し、それらをEpithelial dysplasia, papilloma, verrucous carcinomaそしてsquamous cell carcinoma(SCC)に分類し、それぞれhistone H3とp53の二重染色を行った。その結果、病変のない重層扁平上皮ではhistone H3とp53は散在するも、二重に染色された細胞は見られなかった。Epithelial dysplasiaでは二重染色された細胞が多くみられ,基底層から有棘層にいたるまで広く観察された。papincmaでは二重染色は基底層のみに、verrucous carcinomaとSCCでは基底層から有棘層様の細胞に陽性細胞が多く認められた。また、SCCにおいてp53とp21の二重染色を行ったところ、p53とp21の一重染色された細胞は減少した。
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