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2001 年度 実績報告書

イオンエッチング-走査電顕法による口腔組織三次元微細構造の解明

研究課題

研究課題/領域番号 13671930
研究機関福岡歯科大学

研究代表者

長門 俊一  福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (80084284)

キーワード樹脂切片 / 連続切片 / イオンエッチング / 走査型電子顕微鏡 / 試料作製法 / Ebner腺 / Weber腺 / 三次元構造
研究概要

平成13〜15年度の3か年にわたる初年度の研究として、高分解能走査電顕観察のための、樹脂切片-イオンエッチング法の検討を行った。グルタールアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アクロレイン、オスミウム酸、過マンガン酸カリウムそれぞれ単独の固定では、準超薄切片の光顕観察およびイオンエッチング後の走査電顕観察ともに不十分な結果となった。最もよい結果が得られたのはグルタールアルデヒドとオスミウム酸による二重固定、およびグルタールアルデヒド-パラホルムアルデヒド混合液とオスミウム酸による二重固定であり、核やミトコンドリア、小胞体、ゴルジ装置などが明瞭に観察された。唾液腺分泌穎粒では、エッチング深さの差異により、漿液性顆粒、粘液性顆粒、これらの中間型の顆粒を容易に識別することが可能であった。また細胞間質の膠原線維や血管、神経も明瞭に観察できた。イオンエッチングを施した樹脂連続切片からの三次元再構築により、Ebner腺腺では生後3週には漿液性の分泌終末部と導管系を備えた成熟した組織構造を呈するのに対し、生後3週のWeber腺では、分泌終末部は未熟で3種の分泌細胞が存在し、導管様拡張部に近い側がら、粘液性、中間型、漿液性の順に配列する傾向を示すことが明らかとなった。Weber腺はその後も組織分化し、生後6週には中間型細胞が消失するとともに粘液性細胞が急激に増加し、いくつかの分泌終末部の末端に漿液性半月をもつ成熟型の組織構造を呈するに至った。分泌細胞の配列ならびに消長に関するこれらの所見から、Weber腺では、漿液性細胞が中間型細胞を経て粘液性細胞に分化することにより、腺の組織分化が進むことが示唆された。

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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