研究概要 |
本年度は以下の方法でα2アンチプラスミン(API)のニトロソ化を行い,プロテアーゼとの反応性について予備実験を行った. ステップ1:ジチオスレイトール(DTT)によるAPIの還元 (1)5mM EDTA添加APIに終濃度が50mMになるようにDTTを加え,2時間処理した. (2)撹拌処理後,100mMリン酸緩衝液(約10L)で透析し,未反応DTTを除去した. (3)還元物質として,DTTの他にシステインなどを用いて試験したが,効果的な還元処理はDTTがもっとも優れていた. ステップ2:還元APIのNO化 (1)還元APIに対して終濃度が4mMになるようにイソフェニールナイトライトを加え,室温で1時間処理する. (2)処理後,100mMリン/1mMEDTA酸緩衝液で透析し,未反応イソフェニールナイトライト除去した. プロテアーゼとの反応性 (1)反応系にSH化合物が存在するとニトロソ化APIの効果はまったく発揮されない. 反応系にあるSH基にニトロソ化APIのNOが急速に転移するためであろうと予測された. (2)Pgプロテアーゼはシステインで活性化される.従って予めSHで活性化されたPgプロテアーゼはPBS等で充分にSH化合物を除去しておく必要がある.
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