研究課題/領域番号 |
13671931
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
上西 秀則 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (90084300)
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研究分担者 |
赤池 孝章 熊本大学, 医学部, 助教授 (20231798)
竹内 尚子 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (50198800)
小倉 理恵子 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (80320331)
濱本 高義 化学及血清療法研究所, 血液製剤部門, 研究員
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キーワード | Porphylomonas gingivalis / プロテアーゼ / α-2アンチプラスミン / ニトロソ化 / プロテアーゼインヒビター / vesicle |
研究概要 |
H13年度はα2アンチプラスミン(API)のニトロソ化について実験を行った。この結果、APIを効率よく還元するには、反応液に加えるEDTAの濃度が5mM、ジチオスレイトール(DTT)の濃度が50mMが最適であることがわかった。また、還元APIのニトロソ化はイソフェニールナイトライトの濃度は4mMで、処理時間は1時間が最適であることがわかった。 H14年度: 1)得られたニトロソ化APIはPorphylomonas gingivalis由来プロテアーゼの活性を濃度依存的に阻害した。しかし、対象として用いた通常のAPIは阻害活性をまったく示さないことがわかった。このことはPorphylomonas gingivalis由来プロテアーゼの活性中心にあるステインのSH基がニトロソ化APIに由来するNOが転移し、そのために酵素活性が阻害されたものと推察された。 2)Porphylomonas gingivalisは菌体外にvesicleを放出することが知られている。このvesicleは菌体の外膜成分からなるもので、LPSや菌から分泌されるプロテアーゼを含んでいることから、菌の重要な病原因子の一つとして位置付けられている。 (1)このvesicleはプロテアーゼ活性を示すが、作成したニトロソ化APIで処理すると、プロテアーゼ活性は90%以上が阻害された。 (2)RAW264細胞をvesicleで処理するとNOの産生誘導が観察される。しかし、ニトロソ化APIで処理されたvesicleによる処理ではNO産生誘導が60%程度にまで抑制された。このことから、ニトロソ化APIはPorphylomonas gingivalisの病原作用を減弱させることが推察され、また、菌そのものの増殖をも阻害する可能性が推察される。 これらの成果をもとに、平成15年度の研究を遂行する予定である。
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