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2001 年度 実績報告書

内軟骨性骨化におけるレチノイドシグナルによるCbfa1とIHHの発現制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 13671935
研究機関大阪大学

研究代表者

岩本 資己  大阪大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (80203644)

研究分担者 岩本 容泰  大阪大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (30223431)
キーワード軟骨細胞 / 内軟骨性骨化 / レチノイド / Cbfa1 / IHH
研究概要

本研究では、レチノイドシグナルがCbfa1の発現を促進する一方、Ihhの発現を制御することにより、内軟骨性骨化を制御しているという仮説を実証することを目的としている。本年度は以下のような結果を得た。
1.レチノイド感受性エレメントにβガラクトシダーゼを接続した遺伝子を組み込んだF9細胞に、軟骨組織の抽出液を添加し、βガラクトシダーゼ活性を測定した結果、レチノイド活性は肥大細胞層に近接する軟骨膜に強く検出され、他の軟骨組織においては活性が弱かった。
2.軟骨組織発生初期(鶏胚5.5日齢)の肢芽の軟骨形成部にレチノイン酸を含有するビーズを移植すると、Cbfa1の発現が誘導された。また、レチノイド拮抗物質を含有させたビーズの移植近傍では軟骨細胞の肥大化マーカーの遺伝子発現が強力に抑制された。
3.レチノイドシグナルにより誘導される、軟骨細胞の終末分化促進作用はCbfa1の機能の阻害により完全に抑制された。一方、レチノイドシグナルを阻害しても、Cbfa1による終末分化促進作用は阻害されなかった。
4.レチノイド添加による軟骨細胞におけるIhhの発現の変化を検索したところ、未熟軟骨細胞においてはレチノイドはIhhの発現を促進するが、成熟軟骨細胞においては逆に阻害することが判明した。
以上の結果より、レチノイドシグナルはCbfa1の発現を誘導することにより、軟骨細胞の肥大化を促進すること、および肥大化期の軟骨細胞におけるIhhの発現を制御していることが考えられ、内軟骨性骨化の制御におけるレチノイドシグナルの重要性が強く示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Ueta, C. et al.: "Sekeletal malformations Caused by overexpression of Cbfa1 or its doiminant negative form in chondrocytes"J. Cell Biol.. 153. 87-99 (2001)

  • [文献書誌] Enomoto-Iwamoto, M. et al.: "Participation of Cbfa1 in regulation of chondrocyte maturation"Osteoarthritis Cartilage. 9. S76-S84 (2001)

  • [文献書誌] Iwamoto, M. et al.: "Ther role of ERG (ets related gene) in cartilage development"Osateoarthiritis Cartilage. 9. S41-S47 (2001)

  • [文献書誌] 岩本容泰 et al.: "関節発生と関節軟骨分化制御"現代医療. 33. 37-42 (2001)

  • [文献書誌] 岩本資己 et al.: "Wnt可溶型受容体Frzb-1による軟骨細胞の分化制御"実験医学. 19. 1210-1214 (2001)

  • [文献書誌] 岩本資己: "軟骨発生機序からみた軟骨の再生"骨・関節・靭帯. 14. 801-808 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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