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2001 年度 実績報告書

環境汚染物質による肝障害に対するビスフェノールAの増悪作用の解析

研究課題

研究課題/領域番号 13671936
研究機関岡山大学

研究代表者

十川 紀夫  岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (30236153)

研究分担者 辻 岳人  岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90314682)
小野寺 憲治  岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (40133988)
山本 敏男  岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30107776)
中野 誠  岡山大学, 歯学部・附属病院, 助手 (30335616)
キーワードBisphenol A / Cadmium / Metallothionein / Liver damage / Estrogen receptor
研究概要

ポリカーボネートやフェノール樹脂,および歯科用シーラント材の原料などとして広く用いられているビスフェノールA(BPA)は,エストロゲン類似の構造を持ち,エストロゲン受容体に直接結合することから,いわゆる内分泌撹乱物質の1つと考えられているが,その生体作用については未だ不明な点が多い。我々は,これまでにカドミウム(Cd)の解毒に関与すると考えられているメタロチオネイン(MT)の肝臓での生成能に雌雄差があり,さらにこの性差には女性ホルモンが関与していることを明らかにしてきた。これは,女性ホルモンがCd毒性を増悪する可能性を示唆する興味深い結果であると考えられる。そこで本研究では,BPAのエストロゲン作用に着目し,BPAの生体作用の一部を明らかにすると共に環境汚染物質の複合曝露における生体への影響を解明することを目的に,Cd投与後のマウス肝臓におけるMT生成量および肝障害に対するBPAの影響を検討した。
その結果,BPA(100μg/kg)単独投与,Cd(0.5mg/kg)単独投与のみでは肝障害は認められなかったが,BPA前投与後にCdを投与した場合に肝障害が惹起され,肝障害に関し,両環境汚染物質の協同的作用が認められた。また,興味深いことに,Cd投与による肝MT生成はBPAの前投与によって著しく抑制されたことよりBPAとCd複合投与による肝毒性の増悪は,BPAのMT生成に対する抑制作用に起因すると考えられた。近年,内分泌撹乱物質には各々単独投与では生体に為害性を示さないにも関わらず,複合曝露により為害性が増悪する可能性が示唆されているが,本研究により,BPAがCdとの複合曝露により肝毒性を惹起する可能性のあることが明らかとなった。また,BPAのヒトへの安全基準は50μg/kg/day(米国環境保護局)であるとされているが,本研究の結果は,基準値相当の用量でも為害性を示す可能性を示唆するものであると思われる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Norio Sogawa: "Bisphenol A enhances cadmium toxicity through estrogen receptor"Methods and Findings in Experimental and Clinical Pharmacology. 23・7. 395-399 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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