研究概要 |
前年度、穿孔パッテクランプ法により得られたデーターより、小型三叉神経節ニューロンに対してアドレナリンα_2受容体の作用が確認されたので、Single-cell RT-PCR法を用いて急性分離した単一三叉神経節ニューロンにおいてアドレナリンα_2受容体mRNA(α_<2A>、α_<2B>、α_<2C>受容体)が発現しているか否かを解析した。急性分離後、パイペット内に回収できた、細胞体直径17-25μmの9個の小型三叉神経節ニューロンに対して、RT(Reverse-transcription)反応を行った。その後、PCR(Polymerase-chain-reaction)を行い6個の細胞でGHPDHの遺伝子(239bpのDNAバンド)が確認された。Positive controlには脳幹の組織を,Negative controlは逆転写酵素を含まないサンプルを用いた。GAPDH陽性のニューロン6個について、それぞれの細胞のc-DNAを用いて、アドレナリンα_<2A>、α_<2B>、α_<2C>受容体の発現を"マルチプレックスPCR"により解析した。その結果、α_<2A>受容体の遺伝子338bpのDNAが2つの三叉神経節ニューロンで発現が、観察された。一方α_<2C>受容体の遺伝子306bpのDNAの発現が1つのニューロンにおいて観察された。Positive controlには脳幹の組織をを用いた。α_<2B>受容体の発現は確認されなかった。 以上の結果と前年度の結果を考え合わせると、三叉神経節ニューロンの興奮性の修飾に、アドレナリンα_<2A>受容体及びα_<2C>受容体の関与が重要であることが示唆された。
|