研究概要 |
CD19は、B細胞受容体の補助受容体として働き、CD19ノックアウトマウスでは、メモリーB細胞形成ができず、CD19分子はメモリーB細胞誘導に必須の因子の一つであると考えられる。CD19シグナルは会合しているCD35やCD21が架橋されることで伝わり、B7-1やB7-2の発現を誘導し、T-B細胞間相互作用を増強する(Y.Kozono et al.1998)。本研究は、免疫マウス及び自己免疫疾患マウスのメモリーB細胞において、CD19分子がCbl-bによりユビキチン制御を受けそのCD19がどのように、免疫マウス、自己免疫疾患マウスのメモリーB細胞誘導を制御しているかを検討することを目的としている。 1.自己免疫疾患モデルマウスのB細胞のCD19分子のウエスタンブロッテイング解析から、NZBマウスではプロテアゾーム感受性(ユビキチン制御の可能性)、NZB×NZWF1でば、若い週齢と尿蛋白産生している発症時期でプロテアゾーム感受性となっていることがわかった。 2.ウエスタンブロッテイング解析から免疫マウスのB細胞のCD19分子は、プロテアゾーム感受性になっていることがわかった。また、免疫沈降法による解析から、多価ハプテン抗原を用いることで、ほとんどのB細胞でのシグナル分子の再配列がおこっていることがわかった。 3.Cbl-bノックアウトマウスをカナダより入手し、解析をしょうとしたところ、backgr ground及びphenotypeに問題があることがわかり、現在問題解決をおこなっている。 4.CD19分子によるメモリーB細胞形成に関与するco-stimulatory分子の解析として、新規co-stimulatory分子、4-1BBL/4-1BB, OX40L/OX40について解析をおこなったところ、OX40Lの発現誘導を高めている結果を得た。
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