研究課題/領域番号 |
13671965
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
林 孝文 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80198845)
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研究分担者 |
勝良 剛詞 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (30283021)
平 周三 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70313525)
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キーワード | 口腔癌 / 頸部リンパ節転移 / らせん走査CT / 経静脈造影 / 至適撮影条件 / 角化壊死 / 高吸収域 / 上頸神経節 |
研究概要 |
今年度は、本学にヘリカルCTが導入された1997年1月より2004年8月までの7年7か月間に、以下のプロトコールによるCT撮影を行った口腔扁平上皮癌症例のうち、頸部郭清術が施行され病理粗織学的にリンパ節転移の有無が確定され、術前画像との照合がなしえた88症例を対象として検討を行った。年齢は最高84歳・最低27歳・平均62.4歳、性別は男性58例・女性30例、原発巣は舌38例・下顎歯肉22例・上顎歯肉10例・口底8例・頬粘膜5例・中咽頭5例であった。 撮影条件は、1)造影前:スライス厚3mmのノンヘリカルスキャンにて撮影。2)造影後早期相:300mgl/mlの非イオン性ヨード系造影剤を用い、1秒間に1〜1.5mlの注入速度にて造影剤を注入。注入目標量を60秒間で注入し、注入開始後45秒程度から頭側から尾側に向けて、エックス線ビーム幅2〜3mmテーブル移動速度3mm管球回転のシングルヘリカルスキャジを施行。3)造影後遅延期相:造影剤注入開始から3,分程度経過後にスライス厚3mmノンヘリカルスキャンにて撮影。リンパ節の転移判定基準は、短径が8mmを越える場合(頸静脈二腹筋リンパ節では9mmかもしくは内部に明らかな中心壊死が認められる場合(造影後では造影されない低吸収域の存在、造影前では角化壊死による高吸収域の存在)とした。 本研究の結果、一般的な診断基準に加えて、次のような診断基準が有用であることが明らかとなった。1)造影前:後発リンパ節転移の検出において、有用な場合がみられた。角化壊死の顕著な転移巣では、角化物が高濃度となり造影により逆に不明瞭化するため、造影後のみでは見落とされる可能性があり、造影前を省略するべきではない。2)造影後遅延期相:造影後早期相と比較することにより、頸部リンパ節と紛らわしい解剖学的構造である交感神経幹の上頸神経節をリンパ節と鑑別する上で有用性が認められた。
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