研究課題/領域番号 |
13671972
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
佐藤 強志 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (90136888)
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研究分担者 |
新田 哲也 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (10325813)
末永 重明 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00136889)
川畑 義裕 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (70274842)
馬嶋 秀行 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60165701)
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キーワード | ^<99m>TcMIBIシンチ / ^<201>TlClシンチ / P-糖蛋白 / Na+K+ATPase / 口腔悪性腫瘍 |
研究概要 |
(臨床評価)^<99m>Tc-MIBIと^<201>TlClの口腔腫瘍患者における腫瘍集積率(後期集積比/初期集積比)は、^<99m>Tc-MIBIは悪性腫瘍で、1以下の値(0.853±0.067)を示し、悪性腫瘍で後期集積比の低下傾向を示した。一方、^<201>TlClでは、腫瘍集積率(mean±SD)は良性腫瘍で0.75〜0.93(0.81±0.06)、悪性腫瘍の高分化型で、0.78〜1.24(1.01±0.10)、中等度分化型で0.91〜1.42(1.09±0.13)、低分化型で1.05〜1.46(1.24±0.14)を示した。平均値で良性腫瘍では1以下、悪性腫瘍では1以上で、組織学的・臨床的悪性度に一致した傾向を示した。 (集積機序)^<99m>Tc-MIBIの腫瘍集積とp-糖蛋白発現との関係、^<201>TlClの腫瘍集積とNa+K+ATPase発現の関係について免疫組織化学染色法(Score 0,1,2)により検討した。P-糖蛋白発現(Score値のmean±SD)は唾液腺腫瘍では良性で0.75±0.19、悪性腫瘍で1.36±0.12であった。扁平上皮癌では高分化型で0.71±0.36、中等度分化型で0.83±0.40、低分化型で1.60±0.24であり、悪性腫瘍、とくに低分化型で高い発現を示す傾向が見られた。Na+K+ATPase発現はScore 2が高分化型で18%(Score値の平均=0.82)、中等度分化型で44%(1.44)、低分化型で66.6%(1.50)であった。 (結論)^<99m>Tc-MIBIシンチと^<201>TlClシンチの口腔腫瘍患者における集積は相反する傾向を示し、両者の組み合わせで、より正確な質的診断の可能性が示された。また、^<99m>Tc-MIBIシンチと、^<201>TlClシンチの口腔腫瘍患者における集積にはP-糖蛋白発現とNa+K+ATPase発現が大きく関与していることが示された。
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