研究課題/領域番号 |
13671975
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
城 茂治 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (20154411)
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研究分担者 |
四戸 豊 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (30347885)
佐藤 健一 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (90265174)
佐藤 雅仁 岩手医科大学, 歯学部, 助教授 (60215845)
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キーワード | 坐骨神経 / カルシウムイオン / 共焦的レーザー顕微鏡 |
研究概要 |
前回の研究に引き続き生後8週齢、雄性ウィスター系ラット(250〜400g)の大腿から坐骨神経を摘出し、コラゲナーゼによる結合組織の消化後、Ca^<2+>感受性色素Indo-1/AMを4℃で3時間負荷した。その後灌流チャンバーに固着し、各種の試薬を加えた際の細胞内カルシウムイオン濃度([Ca^<2+>]_i)の変化を、リアルタイム共焦点レーザー顕微鏡(Nikon RCM/Ab)を用いて解析した。 神経周膜に覆われていない末梢神経では、Schwann cellはATPに対して[Ca^<2+>]_iの増加を示した。一方、神経周膜細胞に覆われた状態では、その反応は認められなかった。 Lidocaineによって神経周膜細胞のATPが誘発する[Ca^<2+>]_iの増加は抑制された。 興奮性の細胞であるか非興奮性の細胞であるかを調べるために細胞外液に高カリウムイオンを添加して細胞膜を脱分極させた。膜の脱分極によって、神経周膜細胞の[Ca^<2+>]_iは上昇しなかった。 神経周膜細胞の持続した[Ca^<2+>]_iの上昇は、神経周膜細胞のintercellular communicationsを抑制し、結果としてbarrier機能の低下をもたらす可能性が示唆された。また神経周膜細胞におけるATPが誘発する[Ca^<2+>]_iの増加を抑制したLidocaineのような薬剤は、神経周膜の透過性の亢進を防ぎ神経周膜のbarrier機能を維持することで、神経周膜に対し保護作用があると示唆された。
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