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2001 年度 実績報告書

歯槽骨再建に及ぼすエムドゲインの作用機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 13671985
研究機関日本大学

研究代表者

前野 正夫  日本大学, 歯学部, 助教授 (60147618)

研究分担者 鈴木 直人  日本大学, 歯学部, 講師 (10226532)
伊藤 公一  日本大学, 歯学部, 教授 (90102607)
大塚 吉兵衛  日本大学, 歯学部, 教授 (50059995)
山口 洋子  日本大学, 歯学部, 副手 (00239922)
キーワードエムドゲイン / enamel matrix-derived protein / ヒト歯根膜細胞 / 細胞接着 / bone sialoprotein / integrin αvβ5 / RGD配列ペプチド / osteopontin
研究概要

本実験には、要抜去と診断された4人の被験者の歯根膜片から外生した歯根膜細胞(HPDL)をさらに5代継代培養して用いた。
(1)種々の濃度のエムドゲイン(enamel matrix-derived protein:EMD)をコートしたマイクロプレートにHPDLを播種して3時間加温後にプレートに付着した細胞数を測定したところ、EMD濃度依存的に付着した細胞数は増加した。次に、一定濃度のEMDをコートしたプレートとコートしなかったプレートにそれぞれHPDLを播種して30〜120分加温後に同様に付着した細胞数を測定した。その結果、EMDコート群では30分後に大部分の細胞が付着したのに対して、非コート群では120分後でも50%の細胞しか付着しなかった。これらの結果から、EMD中には、HPDLの歯根面への接着を促進する因子が含まれていることが明らかになった。
(2)EMDをコートしたマイクロプレートに、あらかじめ種々の抗integrin抗体で加温前処理したHPDLを播種して付着細胞数を測定した。その結果、抗integrin αvβ3抗体で前処理したHPDLの接着が顕著に低下した。次に、HPDLを種々の細胞接着ペプチドで前処理後、同様の実験を行ったところ、GRGDSP配列を含むペプチドによって接着が顕著に低下した。これらの結果から、EMDをコートした歯根面へのHPDLの結合には、EMD中のGRGDSP配列を有するタンパク質とHPDL膜にあるその受容体のintegrin αvβ3が深く関与していることが示唆された。
(3)EMDをSDS-PAGEで分離後、PVDF膜に転写してHPDLと加温したところ、55kDaタンパク質のバンドにHPDLが強く接着し、この接着は抗integrin αvβ3抗体とGRGDSP配列を含むペプチドによる前処理で阻害された。また、55kDaのバンドは、Western blottingで抗osteopontin抗体とは反応しなかったが、抗bone sialoprotein(BSP)抗体と強く反応した。
以上の結果から、EMDを添加した歯根面へのHPDLの接着は、EMD中のBSP様分子とintegrin αvβ3の相互作用によって促進されることが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Naoto Suzuki, Mariko Ohyama, Masao Maeno, Koichi Ito, Kichibee Otsuka: "Attachment of human periodontal ligament cells to enamel matrix-derived protein is mediated via interaction between BSP-like molecules and integrin αvβ3"Journal of Periodontology. Vol.72, No.11. 1520-1526 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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