研究概要 |
MRI撮像において持続開口した場合の顎関節周囲組織の血流変化について,携帯型超音波装置により計測して評価するシステムを以下の如く構築した。 1.超音波スキャンの最適化 表在用リニアプローブを用いて顎関節周囲をスキャンし,再現性高く血流信号が描出可能なスキャン位置および方向について検討した。その結果,咬合平面レベルで咬筋前縁に垂直な方向にスキャンした画像,および下顎頭レベルで下顎骨後縁に垂直な方向でスキャンした画像の2種類が顎関節部の血流の評価に適当であると考えられた。また,ひとつの部位をスキャンして血流信号を記録するために必要な時間は,当初の見積りよりも長いこともわかった。このため,1被験者で左右顎関節を同時にスキャンする計画を変更し,片側の顎関節にのみスキャンをおこなうこととした。 2.画像解析法の最適化 携帯型超音波装置で得られた画像は既設の画像解析コンピュータに転送し、一定時間内に血流信号を認めた画素の数(ピクセル数)を求めた。安静時(開口前)のスキャンで得られた血流信号の画素数のを基準とした相対値とすることにより,持続開口後における血流の変化を評価することが可能と考えられた。 なお,本研究においては,採択の内定が平成13年11月であり,12月に研究費が交付された。このため,当初は平成13年度中に予定していた健常人ボランティアを被験者とする超音波スキャンおよびMRI撮像は完了することができず,平成14年度におこなうこととした。
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